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4.キス (2)
ようやく唇を開放されると、ケイは何度かえづいた。
胃から消化物がせり上がってくる感覚があったが、かろうじてこらえる。
薄く開いた唇の間から、唾液が糸を引いて垂れ、シーツに染みを作った。
「がんばったから、ご褒美、」
男はにっこりと笑ってケイの頭を撫ぜると、そのままひょいとケイの足を持ち上げた。
体勢を崩したケイはあっという間に組み敷かれて、奥の入り口を無防備に男の眼前にさらけ出す格好になる。
「あ、……」
ケイは逃げ出したくなった自分の心を押し殺して、ぎゅっと目をつむった。
無遠慮に指が差し入れられて、雑な動きで開かれる。それでもケイの体は快楽を捉え、甘い反応を返した。
男はケイの反応に気を良くした様子だった。
まだ指の出し入れに圧迫感が消えていなかったが、そんなことをケイに確認するはずもなく、男はさっさと慣らすのをやめて、再び熱を帯びた凶器でまだ小さな蕾を貫いた。
「や、ああっ、」
最初の瞬間だけ鈍い痛みがおそった。
しかしすぐにその痛みも快楽に変わった。
やがて男が与える律動に合わせて、ケイの腰も揺れ始め、切ない甘い喘ぎが響く。
「フェラはほんとに下手だけど、突っ込まれてるときのこの反応はたまんないよね、」
ケイを犯しながら、男は興奮のために荒い息遣いをしながら、そんなことを言った。
棘の刺さったような、小さな痛みが胸にあった。
しかしそのうち、些細な痛みは一方的に与えられる快楽の渦に呑まれてゆく。
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