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温泉
中途半端な余韻を残して離された乳首が疼いて仕方ない。
「ね、千……」
「んー?」
オレの言葉に答えながらも千はまたオレの足を開いて中心に口をつけた。
「そこやだってば……っん」
優しく舐められ、恥ずかしさで目をつぶる。
「知るかよ。リチェールが悪いことしたんだろ?」
「や、やだ……ぁんんっ」
一言そう言って激しく吸われ言葉が詰まった。
千の口に出しちゃう。
嫌なのに、我慢できずぶるっと体が震えた。
「や、くち、はなして……っも、イく……っ離してぇ!」
抵抗もむなしく、千の口に熱を吐き出してしまい涙で視界が滲んだ。
それでも千は止めてくれなくて、痙攣する腰をつかんできつく吸われつま先まで痺れるような感覚に泣くことしかできない。
「あ、や、離して!あ、やだやだぁ!イったから……っ」
腕は縛られて、足も捕まれて抵抗も出来ず背中を反らして辛いほどの感覚に首を降っても千はやめてくれない。
止まらない激しい口淫に暴れる。
「いやぁあ────っ!!やめて!やだぁ!」
イって勃つはずもないそこを散々弄られ、また乱暴な快楽が押し寄せてくる。
もう前は触られるのすら辛いのに弄ってくれない後ろも疼いて矛盾した体に頭がおかしくなる。
「あぁ───っ!!」
がくがくと体が痙攣して、無理矢理乱暴にもう一度イかされ、足の感覚さえ失う。
「せん……っせん、許してぇ……!」
涙を流しながら千にそういうと、一度宥めるようにぎゅっと優しく体を包まれた。
千の体にイったばかりのそこが摩れるすらびくっと反応してしまう。
もうやめて、と抱きつきたくても縛られた手ではそれも叶わない。
泣きながら名前を呼ぶオレを千は優しく撫でて額にキスを落とした。
「リチェールは女みたいな体になるのいやなんだろ?なら今日はそういうとこ触ってやんない」
「ひぃっ」
オレの体を片手で抱き締め、また片手はオレの自身をぎゅっとにぎった。
「やだ……お、ねが……もう、そこ触んないで……っ」
千が抱き寄せてくれた安心感でさらに涙が溢れた。
「だめ」
宥めるように背中を撫でながらもまた強弱をつけて自分でわかるほどぴくぴくするそこを握られ、グリグリと指で弄られる。
「いやぁ!も、痛い!痛いよぉ!怖いぃ」
痛くない。痛くないけどそういえば千ならやめてくれるかもしれないと言う淡い期待にすがって叫んだ。
実際、これ以上は絶えられないという怖さもあった。
「悪い。そんなきつく結んだつもりはなかったけど、怖かったな」
千は手を止めてオレの手を拘束していた帯をするっと解いて両手で包んでくれる。
こんな状況で思い出すことすらおかしいけれど、怖いとか痛いとか千以外のだれかに言ってもやめてもらえたことはなくて、この言葉はいつも相手を喜ばせるだけだった。
意地悪なエッチすら、こんなにも千の優しさが伝わって、さっきまでとは違う涙がボロボロと溢れた。
「ご、ごめ……っなさい~……いたいも、こわいも、嘘ついたぁ……っ」
わあっと子供のように泣いて千に抱きつく。
この人に抱き付くと、安心する。
それはきっと、もう受け入れてもらえるとわかってるから。
「千になにされても怖くないからねぇ……っ」
怖がることがまるでオレが今までの千以外の人のことを忘れずに、千とその人たちを重ねたと勘違いしてほしくなくて泣きながら早口に言うと、千は呆れたようにクスクス笑う。
「それだけ泣いといてよく言うよ」
「怖くて泣いてるんじゃないもん……っ」
ぎゅーっと抱きつくオレを千は、ハイハイと子供をあやすように宥めてくれる。
「泣き虫」
ふ、て耳元で笑う千の声が心地いい。
泣き虫とか言われたことないし、そもそも千と出会うまで泣いたことなんてほとんどなかったけど。
無理矢理抱かれることを辛いとも思わなかった。
千が甘やかしてくれるから、泣き虫になって、我慢弱くなってわがままになったんだと思う。
それでいいと、また甘やかしてくれる千にどこまでも甘えてしまう。
「千、好きっ、大好きだからねぇ……っ」
「俺の方が愛してる」
オレが好き好きーって言っても、知ってるって笑うだけだったのに、ふいにこんなこと言われて胸がぎゅっとなる。
「オレの方が愛してるー!」
「はいはい」
張り合うように言うオレを呆れたように優しく笑って優しくシートに倒した。
「怖くないなら続きするけど、もう少しいじめていいか?」
「や、優しくしてくれなきゃやだ……」
「リチェール悪いことしたのに?」
「ん、優しく、して」
優しく微笑んでくれる千にぎゅっと抱きついて甘えると、はいはいってまた笑ってオレの額にキスをした。
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