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第54話 波にも磯にもつかぬ恋25※
「言わないと、もう止めちゃうよ」
摘んだ蕾をぎゅーっと引っ張りながら、祥悟の耳朶を甘噛みしてみる。祥悟はぷるぷるっと震えてシーツを手繰り寄せると
「……っじんじん、するってば。なんか、変な、むずむず、奥の方に……じわーって」
「そう。それって気持ちいいんだよね? 祥、乳首いじられて、女の子みたいに感じてるんだね?」
わざとプライドをつつく言葉で責めたてると、祥悟はうー……っと悔しそうに唸って
「ちげーしっ。そんなんじゃ、ない、っての」
「嘘はダメだよ。どこがどう感じるのか、正直に言ってくれないと、もっと気持ちいいこと、教えてあげられないだろ?」
柔らかい耳朶をはみはみして、耳の中に息を吹きかけ甘い声で囁く。祥悟はびくびくと震えながら、また悔しそうにうー……っと唸り
「……っだから……っ言った、じゃん。そこ、むずむず、するって」
「そこって、どこ?」
「……っち」
「……ち?」
「……っちくび、だよっ」
耳を真っ赤にしてやけくそ気味に言う祥悟が可愛すぎて、なんだか異常に興奮してきた。
「そう。祥は、乳首が気持ちいいんだね。じゃあ、もっといじってあげるよ」
摘んでいた蕾をいったん離し、下から掘り起こすようにして何度も撫であげる。祥悟はくふくふ言いながらぴくんぴくんと震えていたが、さっきぎゅーっと引っ張った時よりも反応が薄い。
(……もしかして……もっと痛い方が感じる……のかな?)
何しろ、男の子の身体を愛撫するのは初めてなのだ。煽られて興奮はしても、どこをどうしてあげたら気持ちいいのかは手探り状態だった。
もう1度、蕾を指で摘んできゅっきゅと引っ張ってみる。
「あっ……んぁ……っ」
(……やっぱり。こっちの方が感じてる)
「ね。祥。ちょっと起き上がって」
智也は言いながら祥悟の身体を抱き起こした。きょとんとしている祥悟を向かい合わせに座らせて
「そのままじっとしててね。あ、俺が何してるか、ちゃんと見てること」
赤い顔をして睨んでくる祥悟に、にこっと笑いかけると、
「両手、後ろで組んで、胸を突き出して?」
「……へ……なに、すんの?」
「気持ちいいこと」
祥悟は戸惑いながらも腕を後ろに回し、胸を突き出した。
シャワーを浴びる前に、鏡の前でこれをやったら、恥ずかしいのかすごく反応が良かった。祥悟はどうやら、見られてするとか言葉責めとか、羞恥心を煽られる行為に弱いらしい。
智也は祥悟の胸に顔を近づけながら、上目遣いに見上げて
「手、後ろのまま外しちゃダメだよ。……ほら、見て。君の乳首、赤くなってぷくっと飛び出てる」
言われて自分の乳首に目を落とした祥悟が、パッと頬に朱を散らした。
「……っ」
「すごいよね。女の子みたいに乳房はないけど、君の乳首、勃起してる。いやらしいな、祥」
智也は舌を出すと、祥悟に見せつけるように蕾にじわじわ近づけていった。
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