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第57話 波にも磯にもつかぬ恋28※
「祥……気持ちいいんだね。君のここ……」
言いながらタオルの盛り上がりを指差すと、祥悟はカッと頬に朱を散らして
「……っばか……見んなっ。しょ、しょうがねえじゃんっ。勝手に勃っちまうんだからさっ」
智也は宥めるように微笑んで
「うん。男の子だからね。気持ちいいと、反応しちゃうよね」
祥悟は赤くなったままの頬をぷーっとふくらますと、ぴたっと股間を包むタオルを、摘みあげて膨らみを誤魔化した。
「女の場合は……こーゆー時って濡れるんだよな……?」
「……そうだね。気持ちよくなると、そうなるね」
祥悟は照れたように目を逸らして、でも必死に平静を装うと
「そしたらそっちも、弄ってやれば……いいんだよね?」
少年らしい好奇心と羞恥心がないまぜになっている祥悟は、ものすごく可愛くて……そしてすごく残酷だ。
そんなこと聞かれたら、祥悟が相手にどんなことをするのか、リアルに想像してしまって……やるせなくなる。
「うん。まあ、さすがにそこまでは実地では教えられないから、傷つけないように気をつけて、優しく愛撫してあげればいいと思うよ」
智也は胸の奥のモヤモヤを誤魔化すように、早口にそう言って
「さ。そろそろ服を着る? いつまでもそんな格好してると、風邪をひくだろ」
言いながら祥悟から離れて、ベッドから降りようとすると、すかさず手を掴まれた。
「は? もう終わりかよ?」
「……え……だって……」
「胸以外んとこも舐めたりするんだよね? 智也がさ、女鳴かす時どうやんのか、ちゃんと教えてよ」
「…………」
(……いやいや。祥悟くん。それはちょっと、もう……さすがに)
「あ。そっか。俺が智也の、舐めたらいいんだよな? その方が練習になるじゃん」
(……!?!?!?)
智也は息を飲んで、祥悟の顔を見下ろした。
(……ちょっと……この子、何言って……? 舐めるって……舐めるって、俺の……どこを?)
祥悟の紅い薄い唇に目が吸い寄せられた。
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