1 / 59
第1話 大門亜巳【職業:女王様】
ヒュッと空を切った鞭がビシリと鳴るのに続いて男の野太い悲鳴が上がる。
「はうっ…ぐ!……ああっーー!」
地べたを這う鍛え上げられた裸体は汗にまみれ、背中には鞭で打たれた痕が幾重にも刻まれていた。男は大柄な身体を後ろ手に拘束され、その手首は太い首に巻かれた首輪とチェーンで繋がれている。男が身悶えする度にジャラ、と金属音がした。むき出しの男根は触ってもいないのに硬く屹立して先走りを零している。
「このくらいで声を上げるなと何度言ったらわかるんだ?」
露出が多くいやらしいデザインのボンデージスーツに身を包んだ俺は肩で息をする男を冷たい目で見下ろす。
「ぅう…申し訳ありません亜巳 様…!久々にしてもらったから俺…」
「うるさい。許可もなしに喋るな」
もう一度鞭の音が肉の上で弾ける。
「んーーーーっ」
声を上げぬように必死で耐える男にもう一度、さらにもう一度と鞭を打ち付けた。乾いた音が仄暗い室内に響く。何度目かの殴打の際に「あっ」と声を上げて男が果てた。
「おい、誰が出していいって言った?」
「あ…あ、すみません!すみません!気持ちよすぎて…」
額を床に擦り付けるようにして謝罪する男の頭をピンヒールで踏みつける。ぐりぐりと躙りながら
「はしたない。こんなに長く俺を呼ばずに何をしていた?すっかり待てができない身体になりやがって。ええ?」
勢いをつけて肩を蹴り上げ仰向けに転がす。だらしなく精を吐き出し萎えた雄が俺の眼前にさらけ出される。
後ろ手に縛られているため大の男がなんの抵抗もできずに、男にしては華奢な俺のなすがままになっているのは愉快だった。体格差からいって普通に考えれば俺の細い腕を捻りあげるのは造作もないはずだ。
羞恥と欲望のため真っ赤な顔をして潤んだ目でこちらを見上げてくる屈強な男を見下ろして俺は舌で唇を湿らせる。
「だけど…鞭で打たれて声を我慢したのは褒めてあげようか」
小首を傾げながら俺はニッと笑ってピンヒールの爪先で男の萎えた逸物を掬い上げ、靴の裏でゆっくりと踏みつける。
「あひっ…はぁああ、イイです、もっとぐりぐりしてくださ…ああ!そこ!そこ!きもちぃっ、ありがとうございます女王様…ありがとうございます」
「お前のココ、ザーメンまみれでぬるぬる…汚いなぁ」
ぐりぐりと結構強めに踏んでも男は涎を垂らさんばかりに喜んでおり、大股開きで腰を浮かせている。それどころか俺の足の動きに合わせて腰を振り出した。一度萎えたはずのそこはまた硬くいきり立っていた。
「ほんとに酷いザマだな。恥ずかしくないのか?男にチンポ踏まれてへこへこ腰振って」
「あっ…きもちいい!男の亜巳様にチンポ踏まれてきもちよくなっちゃうの恥ずかしいです!だけどきもちいいの止まらないっああっああっ…」
「とんだ変態だな!」
もはや俺は足を押し付けているだけで、男が勝手に腰を振ってよがり狂ってる状態だった。手枷のチェーンがガチャガチャと耳障りな音を立て、男はその音にすら興奮しているらしい。
「イキそうか?」
「イク!イキたいです!んぐっうう~~っっ」
「早いな、まぁいい。そらイけ!」
そう言ってちょっと強めに踏み込んだ。食いしばった歯から荒い息を漏らし、ガクガク震えながら男は二度目の絶頂を迎えた。
ともだちにシェアしよう!