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第56話 仁乃への復讐(3)
俺は仁乃の中に入れていたものを引き抜いた。
小山田が俺の性器からゴムを取り去った。
そしてすかさず坂本がタオルを持ってきて身体を拭いてくれる。
俺は手の甲で涙を拭って指示を出す。
「次の準備をしろ」
「はい」
坂本がぐったりしている仁乃に歩み寄り、目隠しのためアイマスクを装着した。
「なんだ…?まだお楽しみが残っているのか?しかし残念だな、お前の美しい顔が見えなくなる」
俺に犯されて、後ろの刺激で射精させられて尚も余裕を失わない仁乃であった。
やはり、この後の"特別ショー"がどうしても必要なようだ。
「ああ、これからが本番だ。」
「ふ…これよりも面白いことがあるっていうのか?それは楽しみだな」
「軽口を叩くのももう終わりだ。坂本、口をふさげ」
「はい」
「何?俺のおしゃべりがそんなに気に触ったかな?はっははは!」
坂本がボール状の猿轡を噛ませた。小山田は阿久津の方に同じ猿轡を噛ませている。
声で父親にバレては困るためこの対応だ。
「俺は汚れたから着替えてくる」
「わかりました。戻り次第始められるよう、客を呼んでおきましょうか」
「そうしてくれ」
純に目配せして、一緒に着替えに行く。
スイートルーム内の別の部屋に俺たちの衣装が数着予備として置いてあった。
「大丈夫だった亜巳?」
「大丈夫。ありがとう。腹立ってやっちゃった」
「上手だったよ。あいつ、初めてのくせに中イキしてたじゃん」
「うん。坂本がかなり慣らしてくれてたしね」
純と話してようやく俺はホッとした。
「さーってと。次は何着る?」
「うーん…やっぱりボンデージがいいかな…」
「これ?」
「うん」
俺はなんだかんだ一番気合の入るボンデージスーツを選んだ。
上はベルトの飾りがたくさん付いたビスチェ、下はハイレッグのショーツ。
足元はロングブーツでビスチェとはガーターベルトでつながっている。全て同じ素材で揃えて作られたものだった。
色は俺が赤、純は白だ。
「今日は黒じゃないんだね。紅白でめでたいかんじ?」
純が鏡を見て首を傾げてる。
「なんか賀茂さんがこの色意味あるって言ってたよ。俺が赤じゃないとダメなんだってさ」
「ふーん。呪いとか?」
「さぁ…?よし、行こうか」
「うん」
俺たちはもう一度ベッドルームに引き返した。
仁乃と阿久津は小山田と共に寝室に残し、俺たちはリビングに移動する。
その時部屋のドアチャイムが鳴った。
「来た」
坂本がドアを開けた。仁乃の父、仁乃司が入ってくる。
「いらっしゃいませ」
「やぁやぁ!これはこれは、今日はお招きありがとう」
「こんばんは、仁乃様」
「こんばんは」
「純に亜巳くん!なんて素晴らしい催しなんだ、もしかして2人で相手してくれるのか?」
「はい。それに、まだゲストもお呼びしてますよ」
それを聞いて司は満足気に頷いた。
「実に贅沢だな!早速初めてくれたまえ」
「ではお召し物を…」
坂本が仁乃の父から上着を受け取る。
純が更に司のシャツのボタンを外しにかかる。
「ああ、今日も清らかな天使のようだね純…美しい」
「ふふ、ありがとう司さん」
司は常連で、純を指名することが多かった。
俺は純が出られない時に何度か司の相手をしたことがある程度だ。
「亜巳くんも、相変わらず綺麗だね。どれ、手を…」
黙って手を出すと、手の甲に口付けされた。
キザな男だ。
「ありがとうございます」
俺はこれからこの男にすることを想いながら愛想笑いをした。
司は上半身裸になった。
50代だが、鍛えているようで無駄のない締まった体付きをしている。
仁乃も美形だが、この父親も系統の違う美形の紳士だった。
こめかみに少しだけ白髪が混じっているが髪はほとんどが黒々としている。
目が悪いのは遺伝なのか、親子共に眼鏡をかけていた。
プレイ中は鞭が当たったりすると危険なので眼鏡は外してもらう。
「本日、NGプレイはありますか?」
「いや、ないよ。いつもの通り何でもありだ!」
「かしこまりました。それでは今からスタートします」
復讐のメインディッシュの時間だ。
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