13 / 13

エピローグ

想いを告げたあの場所へ、毎年誕生日になると訪れていた。 「遊馬…」 辰巳は抱えていた花束のリボンを解いて、そっと海に流す。 「もう、俺も45だよ。もう一度お前に逢いたいんだ…。」 零す言葉を、拾ってくれるものは誰もいない。 何処に消えたのかも分からない。 だから、そちら側へ行くことも出来ない。 「また来るよ。」 そう言って、浜辺を後にした。 ここへ来ても、二度と遊馬に会うことは出来ない。 それでもきっと、死が迎えに来るまで通い続けるのだろう。 𝐹𝑖𝑛.

ともだちにシェアしよう!