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 薄暗くなり、身体の芯が冷えるような寒さがやってくる。そんな中で、パチパチと音を鳴らす火を眺めながらキャンプ飯を待っているこの時間が最高に楽しい。  早くできあがらないかな、と胃袋を刺激するにおいが美味しさを増すと思う。いや、実際に増している。  その時間が楽しい、と持論を説明するものの、誰にも理解してもらえなかった。  一人で気軽にキャンプの意見なんてどうでもよくなる。俺は俺、楽しければそれでいい。  においに刺激され続けているうちに、そろそろできあがった頃合いだと察した。俺は今日の夕食を手に取ろうと腕を伸ばす。  しかし、伸ばしても伸ばしても届くことはなく、むしろ遠ざかってしまった。 「えっ……なん……?」  しばらくして俺自身が何者かに引っ張られていることに気付いた。腰をぎゅっとベルトで締められているような状態で、光がほとんどない森の中へどんどん引きずり込まれる。

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