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 締め付けられている腰の部分に触れると、ぶよぶよとしたものがあった。あまりの気持ち悪さにぱっと手を離すが、今度はねっとりとした液体が指の間まで広がってきた。 「なっ、なんだよこれ……」  俺は必死に気持ち悪さを抑え込みながら纏わりついている正体不明のものを離そうとする。しかし、がっちりとしている上に俺の手が滑ってしまうせいか、ビクともしなかった。  何度も必死でもがいているが、その間にも俺はどんどん引きずり込まれていた。  すると突然、背中に何かがぶつかった。いや、俺の方がぶつかっていったようだ。異様に柔らかく、痛みは一切なかった。次第にねっとりとした感触が布越しに伝わってくる。  あまりにも気持ち悪いそれの原因を知るために、俺は背後に視線を向ける。  そこにあるのは、現実とはかけ離れた肉の壁。まとわりつく液体は、それ自体が発光しているように思える。  気持ち悪さの原因はあまりにも大きいようで、視線に全体が捉えられているわけではなさそうであった。  俺の腰に纏わりついていたものに目を向ける。腸のような赤黒く長いものが、上から伸びてきているらしい。そちらを辿って視線を向ける。 「ひっ!!」  そこにはうねうねと蠢く、無数の長いそれがあった。一言で表すのであれば、触手というのであろうか。

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