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早く逃げなければ俺は食われてしまう。そう思って必死にもがくが、触手のぬめりに加えて恐ろしく強い拘束に阻まれて動けない。
諦めずに逃げようとし続けているうちに、少し太い触手がいくつかにょきにょきと近付いてきた。
それらは両手首と両足首に纏わりついてきた。袖から強引に侵入してくるその感触は、中途半端に温もりが感じられ、生肉のようなものであった。
背筋がぞっとするような感覚が治まらないのでそれらから逃げようとするが、俺の身体は徐々に手足を開かされていき、うつ伏せで大の字にさせられた。
「うっ……」
自重が関節にのしかかって痛い。動こうにも、もがけばもがくほど身体を痛めつけてしまう。
俺は抗うこともできずにじっとうなだれていた。せめて、痛みなく死なせてくれ。気付けばそう願っていた。
「ひぁっ!!」
すると、首筋をたくさんの何かがくすぐる感触がした。
チラリと視線を向けると、指程度の細い触手が俺の首に触れていた。一体どれくらいあるのだろうかというそれらは、徐々に俺へと伸びていき、服の隙間からどんどん入り込んでいく。
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