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ぜんぶ置いてきました②

「あぁ……そうだ」  ふとそんな言葉をこぼすと、先生は髪をかきあげながら身体を起こし、サイドテーブルについている引き出しを開けた。するとスクールバッグに入れていたはずの俺のものだと思われるスマートフォンがそこから出てくる。 「家族……連絡、いれて」 「え……あ、いま、ですか?」 「そう、今」  ぽいっと俺の手にスマートフォンを渡し、先生が後ろから俺の身体をすっぽりと抱きしめる。抱きしめながらまた胸を遊ばれ、吐息を漏らしながらたどたどしく指を動かす。しかし指紋認証をしようとしたが開かず、パスワードも駄目だ。  これでは連絡が取れないので困って先生を振り返ろうとすれば、指紋センサーに先生が触れてあっさりとロックは解除された。不思議に思うが、首筋を舐めながら乳首をこすられ上手く考えられない。 「あ、せんせぇ……いま、ん、なんでぇ……? これ、おれの……ですか?」 「そう」 「え、あっ……なんで……」  ぼーっとする……別になんでなのかなんてどうでもいい気もするが、それを考えるのをやめるという判断すらできない。先生は答えを出せないまま喘ぐ俺の耳元で低く囁く。 「ほら……電話。お母さん? お姉さん?」 「えっと……あね、に……なんて、言うんですか……? は、ぁ、うまく、はなせな、い……」 「何でも、いい。家事ぜんぶ、やらされて……疲れた。とでも言えば? 暫く、帰らないって。ちゃんと言うんだよ?」 「え? あ、でも……」  先生と一緒にいたいだけなのに。  家事は好きでやってることで、バイトなどもせずに金銭的には苦労せずに生活させてもらっていたのに。  でもそうか、先生のお家にずっといるということはそういう事だ。もういいか、別に。確かにちょっと疲れていたし。  先生と一緒にいなきゃこんなに気持ち良くしてもらえないし。  先生の舌が耳をくすぐる。耳たぶから、その上まで。先生、いつも同じとこ舐める。だからそこが敏感になってる気がして、そこに舌が触れそうになると呼吸が早くなる。そしてそこに触れた時、はぁぁ、と熱い吐息が漏れた。 「せんせ……電話、します、からぁ……だめ、いま、やめて……」 「やだ」 「まともに、話せな……ぃ……」 「いい、それで」 「あ、でもっ、ああっ」  閉じてしまった目をなんとか開けるが、涙が滲んで画面がよく見えない。指を動かすどころかスマートフォンを落としそうになっていると、痺れを切らした先生の手が後ろから伸びてきて電話帳を開く。前に名前の話をしていた為に先生はすぐに姉を見つけ、長姉の野菊へ発信ボタンを押してしまった。 「あ、まっ、どうしよう……せんせいっ」 「さっき、言った通り。ね?」  先生の指先は乳首を転がすのをやめ、その手は脇腹や下っ腹を這って行く。全身敏感になっているためそれでもまだビクビクしてしまうが、我慢すれば話くらいはできそうだった。  少しの発信音の後、音が切り替わり雑音が耳に響く。外にいるようだった。 「出雲ー? どうしたの? ハヤトくんち楽しんでるー?」  ピタリと先生の手の動きが止まる。  まさか先生の家に泊まるとは言えないので前までよく行っていたハヤトの家に泊まると話していただけなのだが、きっといい気はしないだろう。しかし耳元で先生は低く、ふぅん、とだけ呟いてベッドから離れていった。気にはなるがこれでまともに会話ができそうだ。 「あの……俺、暫く帰りたくないです」 「えっ、なに? どういうこと?」  突然の発言に驚かれ、その反応は当然だと思った。皆忙しく顔を合わすことは多くないが、家族仲はきっと良い方だ。きっとこれから自分が言うことは姉を傷つける。 「暫くっていつまで? どうしたの?」 「疲れました……家にいるのが嫌なんです。ごめんなさい」 「家の事? やりたくない時はやらなくていいのよ? どうしたの、何かあるなら帰ってちゃんと話しよう」  気遣う声に罪悪感が湧き、言葉に詰まる。なんて話したらいいだろう。できるだけ嫌な思いをさせないようにするにはどうしたらいいだろう。  言葉を選んでいたら先生が戻ってきて、背後でなにか先程までとは違う動きを感じた。横向きに寝転びぴったりと閉じていた太ももに、突然ヒヤリとなにか冷たいものが塗られて驚きに飛び跳ねる。 「ひっ……!」  叫びそうになるのを手で口を押さえて堪える。 「出雲? 大丈夫?」 「あ、だいじょ……え、あっ! なにっ?」  先生の手が下っ腹に添えられてぐっと腰を抱き寄せられる。  太ももの間に、なにか大っきいものがぬるりと挟まってくる。  熱くて、硬くて、それがすぐになんだかわかってしまって声が漏れた。 「やっ、え、あぁ……」 「ちょっと出雲? どうしたの?」  どうしようどうしようどうしよう。  先生のおちんちん、おちんちんだぁ。すごい、どうしよう、太ももに。  混乱していて呼び掛けにも答えられずにいると、背後から囁きが聞こえる。 「ほら、話して? 大鳥とセックスしてる。なんて、思われたら……僕も、やだから」  話せというのに先生は腰を引いて、かと思えばまたぐっと太ももに挟ませ、腰を動かしはじめる。抜く時にお尻に擦れ、入れる時は自分の性器に当たって頭がおかしくなりそうだった。入れてないのにセックスしてるみたい。 「あ、の……もう、もう……いえに、いると……う、んん、はぁ、はっ……」  お尻が、お尻の穴に、先生の当たってる。ゴリゴリ、する。気持ちいい。どうしよう、気持ちいい。  声を我慢するのも限界で全然言葉なんか出てこない。口を開いたらやらしい声が漏れてしまう。せんせいって口走ってしまいそう。  あー、あー、気持ちいい、気持ちいいよぉ。  こんなの、こんなの話せるわけない。 「出雲……泣いてるの? それとも気分悪い?」  姉の心配する声のすぐあとに先生の声が響く。 「ほら、答えて? ちゃんと答えないと、もうしないよ?」  もうしない? もうしないって、止めるんじゃなくて、やめちゃうってこと? やだ、やだ、絶対やだ。  ぎゅっと目を瞑り、唾を飲み込む。そして息を整え、何とか言葉を発した。 「もう、あ、の……家にいる、とっ……つらく、て……息がつまり、アッ、そう……で……ごめん、なさい……」 「出雲……なんだか変。どうしたの……?」 「ごめんなさい……また、連絡しますっ……だから、心配、しないで……」 「待って出雲、もっと詳しく……!」 「もう、もうやめてくださいっ……耐えきれな、ぃ……家に、戻りたくないんです! もう好きに、させてください……ぁ、もう、だめ……」  これ以上我慢できないと思った瞬間、先生は電話を切った。そのままスマートフォンは奪われ、電源も切られてどこかに放られる。  もう電話の内容などどうでもよくて、自分の太ももで擦られてるおちんちんを目で確認する。濃いピンク色の亀頭が隙間を出たり入ったりしているのを見ているだけで興奮して頭に血が上るのを感じた。 「しぇっ、せんせ……っ! おちんちんが、おちんちんがぁ……しゅごい、えっちしてるみたいぃ……」 「うん? そう、だね。僕は、きもちいいけど……出雲も、いいの?」 「おしり、あたって……こしゅれる……きもちい……きもちい、です」 「そう……出雲の太もも、すべすべだね。肌が、吸い付いて……気持ちいい」  耳にかかる先生の荒い息遣いにぞわぞわする。堪えるように呻いたり、熱い息を吐いたり。凄く気持ちよさそう。  激しい興奮と少しもどかしい快感に震えていたら、違う刺激を受けて立ち上がってしまった俺の男性器を先生が握った。竿まで我慢汁でぬるぬるのそれを腰の動きに合わせて扱かれる。 「あ、だめ、おちんちんしごいたら……でちゃう、ずっと、だしてなかった、のに……しゃせい、しちゃいます」 「一回、一緒にいこう? やだ?」  そんなの嫌なはずがない。首を横に振ると、よかったと先生がうなじにキスを落とした。それにビクッと震えれば、ふっと笑われてしまい恥ずかしくなった。 「太もも、閉じててね?」  頷くと、腰の動きが早くなって振動に耐えるためにシーツを握りしめる。ローションか何か塗られたのだろう、ぬちゃぬちゃと激しい水音がする。お尻にカリが擦れると本当に気持ち良くてでももどかしくて、このまま入れてくれればいいのにと思った。  でもそんなことを考えているとおちんちんを根元から扱きあげ、カリ首の下あたりを強く親指で刺激されてもうイきそうなくらい気持ち良くなってしまった。出してなくても全然大丈夫だったのに今は出したい感覚がすごく強くなってる。 「あ、あ、きもちいぃ……あっ、すぐ、でちゃいそう、せんせぇ、イッちゃったら、ごめんなさっ……あぁぁう、うぅ」 「イクのは、いいけど……ちゃんと言うんだよ?」 「はい、いう、言います……いうから、もっとしこしこして……おちんちん、きもちい、せんせ、しこしこきもちいぃ」 「うん……きもちいいね。僕も、気持ちいいよ?」  太ももからも、おちんちんからも水音が響く。後ろから抱いてくれている先生の身体が熱くて汗ばんでいてそれを感じると心臓が高鳴った。  俺の太ももに擦り付けて、こんなに汗かいて息を乱している姿が愛しい。 湿った肌がなんだか嬉しい。  おちんちんを横から少し圧をかけて握られ鈴口をくちゅくちゅと親指でいじられたら、気持ち良くて気持ち良くて太ももに力が入った。すると先生の気持ちよさそうな声が耳をくすぐる。 「ん、いずも……きもちいい。きみ、本当に……かわいい。だいすき」 「せんせぇ……おれも、おれもだいすき……あっ、あ、せんせい、きす、して……きす、しながらイク……」 「うん、いいね……」  肩越しに振り向けば頬を紅潮させた先生の微笑みがあって、熱い吐息が唇にかかったと思ったらそのまま口付けされた。  ん、んと声を漏らしながら舌を絡ませ合い、二人で高めていく。 「ん、ふぅ……ん、ん、んんぅ」  あ、あ、上顎の気持ちいいとこ擦られてる。先生の舌長くてザラザラしてる、気持ちいい。  もう出ちゃう出ちゃう、とむずむずして腰を揺らしたら、先生も声を漏らした。その声が耳に届いた瞬間、頭が真っ白になり、唇が離れた。 「ああぁっ……あぁ……でちゃ……あ、でちゃったぁ……せんせい、は、あっ」 「ん、ぼくも……イき、そ……」  ローションと先生の我慢汁の混ざった粘液が太ももの間でぬちゅ、ぬちゅっと激しく音を立て、先生にまた口を塞がれたと思ったら動きが止まった。  太ももの中に納まっている亀頭からじんわりと温かさが広がっていく。

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