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恋人になれたらよかった③ ※先生視点

 ベッドに手をついて腰を引こうとするが、そんなの許すわけない。身体を横向きに変えさせながら右足を大きく上げ、僕の肩にかける。僕を見上げる瞳は揺れているか、諦めなのか力が残っていないのかそれ以上の抵抗は見せなかった。  無理に持ち上げられ浮いた腰の下で、閉じきらない尻穴がヒクついている。本人が怖がっていようとココは物欲しそうだ。尖端を入口につけただけで開いた穴がきゅっと閉まって中へ飲み込もうとしてくる。 「ちゃんとおねだりできないなら、一気に奥まで入れようかな」 「ひっ……や、やです、やだ、やだっ……!」 「僕は優しくしたいけど、いい子じゃないなら仕方ないね?」 「おねだり、する、します、からぁ……っ……」 「遅いよ、それに……」  腰を押し進めばぬるりとすぐに男性器が飲み込まれていく。随分早くこの大きさに慣れたものだ、もう何も問題なくするすると入っていく。直腸にある壁を超えて一番奥の突き当たりまでは余裕で迎え入れることができるここは、本当に排泄器官なのだろうか? 男を受け入れるための穴としか思えない。 「出雲は男の子だけど……お腹の中はほんと女の子だね? ほしくて仕方ないって動いてる」  一気にとは言ったが、傷つけるのは良くないと壁を越えた奥をトン、と優しくノックする。出雲がビクッと上半身を震わすのと同時に中も締まり、こちらも息が漏れた。 「出雲の中、良すぎるな。声漏らしちゃうよ」  笑いかけてみるが出雲はそれどころではなさそうで、半泣きで独り言のようにいやだいやだと繰り返す。 「せんせ……やだ、むり、むりです、やだぁ……」  可愛いなぁ。ゾクゾクする。  しかしこんな感情は良くない、この子のことはとてもとても大事なのだから。もっと泣かせたいと思いながらも、優しく言い聞かせるように語りかける。 「無理じゃないよ? 君、僕のカタチが大好きって……いつも言ってるよね。角度を調節すれば、お腹のもっと奥まで入るよ。普通はおもちゃ使わないと入らないけど、ね!」 「イッ……!! いたい、いたい、せんせぇっ!」  根元までの挿入を試みてみれば、くっと入り込みそうな感覚もあり全く無理な感じではないにしろ、まだ引っかかる。足を上げて、もっとしっかりと横向きに寝かせてから、位置がズレないように腹を抑え込む。 「むり、むりです、やだっ……こわい。怖いです、せんせぇ……」  酷いことをされる覚悟だってあっただろうに。想定しなかった事態に自分の身体がどうなってしまうかわからない恐怖に脅え、涙がぼろっと零れると次から次へと流れ始めた。抑えた腹も震えている。いつものように首を振ることもせず、小さく肩を縮こませながら下唇を噛んで、シーツがしわくちゃになるほど強く握って。  その姿を見ていたら可哀想だと思うと同時に、腹の中からさらなる興奮が湧き上がってくるのを感じた。そこから血圧があがっていき、頭が熱くなってくる。  そんなに唇を噛んでいたら次に突いた時にその柔らかい唇に歯が刺さって切れるのだろうな。何度か舐めとった、あの赤い血が流れるだろうか。  普段なら噛んじゃだめだと注意するところだが、僕はそれを期待した。期待して、出雲の腸壁を突き上げる。 「んんっ……!! ふ、う、うッ……!」  首からつま先まで全身に力が入り身体が強ばるのと同時に、やはり抵抗力のない唇には犬歯という刃が刺さり白い歯にじわっと血が付着していくのが見えた。  中ではS字に曲がった直腸の入口に男性器が引っかかったのがわかる。あともう少しだけ入ると確信し、この機会を逃さぬようそのまま一気に奥まで突き進む。 「ああ……入るな、出雲、入るよ? 僕の全部、飲み込んで……」 「ひ、あああぁっ! あっ……あ、あ、あ……」  男性器の根元まで、がっちりと出雲の中にハマりこんだ瞬間、目の前にパチパチと閃光のようなものが見え目眩がした。興奮と快感、さらに感動までも押し寄せて腰から頭の先まで震えが駆け上がる。  今まで男性器が曲がっていてもただでさえ規格外のサイズなのに相手を余計に痛がらせるだけだと思っていたが、ぴったり……いや、ぎっちりと奥の奥まで出雲に入り込んでいるのを見てこのためだったのかと歓喜した。君の身体だけが僕に悦び、全てを受け入れる。  男性器すべてがきゅうきゅうと締め付けられる刺激が堪らない。息を荒らげながら出雲を見れば、反り返ったまま目と口を大きく開き、息を吸うのは聞こえるが吐き出せず声になっていない。 「はぁ……出雲。出雲? ほらっ……入った。頑張ったね、えらいね」  少しだけ腰を引いてまた奥に入れ込むとまた、はっ、と短く息を吸い込むのと同時にすべて吸い上げられそうなほど中が強く締まり、焦って引き抜いた。 「う、わ……いずも、だめだって」  自分自身がかなりの興奮状態にある為、全身が包まれているような温かさに加えて搾りあげられるような動きをされ腰がビクついて達しそうに……いや、少し出てしまったかも。目視すればやはり白い液体が入口に少しついており、中にも零れた精液が覗いている。  意図せず締め上げこの長さを突然一気に引き抜かれた出雲は精液のついた尻穴をパクパクと開閉させながらも、中を擦りあげられる乱暴な快感を唐突に与えられてびくびくびくっと何度と身体を痙攣させていた。 「あっ……あっ……」  もう何もしてないのにほぼ白目を剥いて声を漏らす姿はさらに僕を煽る。  感覚を忘れないため間髪入れずに挿入し、お腹を抑えて調整しながら奥にハメこむ。腹に自分の男性器がズズっと押し込まれていくのが手のひらに伝わり吐く息が震えるほどに昂った。  快感を覚えさせるため、ここにちゃんと入るんだと教え込むため、ゆっくりじっくりと出し入れを繰り返す。奥にある入口から、S字の曲がり角までを何度も、何度も、ゆっくりと。 「あぁぁ……あぁー……あぁぁ……あぁぁ……」  さっきまでガチガチに強ばっていた身体が弛緩して目に光がなくなっているが、奥に直腸に入る度につま先までギュッと力を込めて手にはシーツを握り、だらしない声を漏らす。  結合部をみようと下を見たら出雲の萎えて子供みたいに可愛い男性器から精液が流れ出ているのが見えた。マッサージしてないのにまたお漏らししてる。  その全てが卑猥で可愛くて早く動かしくてたまらず、それしか考えられなくなってくる。余裕でいられるわけがない。もっと激しく出し入れしたい。中に出したい。こっちまで馬鹿になってくる。 「いずも……すごいね、こんなに入る。きみの身体に、ぴったり……」  ギリギリで理性を保つために口を動かすが、出雲の反応はない。男性器に押し出されるように喘ぐだけ。 「ここにっ……ここに、入れられるのは、僕だけだからね? この先、もし誰が君に入ろうと……ここまでこれるのは、僕だけ」  しかし語りかけながら、全然ダメだと思った。気持ちが高揚してきて腰の動きがだんだんと早くなり抑えられない。熱で溶けそうなほど性器は熱く、根元の奥の方までじんときて気持ちが急いで仕方ない。  出雲の喘ぐ声は僕の動きに合わせて感覚が短くなっていく。 「あぁ、あ、あっ、あ、ひぁあっ、おッ、あっ」  いつもの可愛い声は大好きなのだが、押し上げられて出るいつもより少し低く苦しそうな声も下品でそれはそれで可愛くて堪らなった。出雲なら何しても可愛い、全てに興奮する。  イキたくてしょうがない気持ちとずっとこの感じを味わいたい気持ちがせめぎ合っており、激しく突いては絶頂感が近くなると抜くのを繰り返した。抜く度にじゅばんっと大きな水音が響いて中からローションなのかよくわからないが液体が漏れる。  肩で息をして、汗だくになって、頭が熱くてどうにかなりそうだった。 「次、は……抜かないで、中に……出そうか、な……」  息を切らしながら、出雲の額に手を伸ばす。出雲も僕と同じように汗だくで、髪の毛までぐっしょり濡れていた。頬に触れただけで、あッ、と声を出してビクッと反応を見せる。そのまま顎から首筋まで指先を滑らせれば、指の動きに合わせて可愛い声が聞こえてきた。  つい腰を振ることに夢中になっていたが、そんな姿を見ていたらまた愛しさが込み上げて、上半身を落として切れてしまった唇にキスをした。  血を舐めて、吸って、そのまま唇の上を滑り、口内へ舌を入れる。はじめは反応が薄かったが、しつこく舌先を撫でて掬い、歯の裏から上顎を愛撫していたら舌が少し伸びて僕の口の中に入ってきた。それからだんだんと二人で舌を絡め取り合うようになっていく。  そっと唇を離すと、長らく焦点のあっていなかった出雲と目が合い、見つめ合うことが叶った。 「出雲……愛してる。どこにいたって、君は僕の……」  汗だくの髪の毛をかきあげ、おでこにキスする。しかし視線はあったものの出雲はとろんとした目をしてぼーっとしていた。そしてベッドに着いていた僕の手首を握り、ねだるように腰を揺らす。 「せんせぇぇ……おくしゅごい……おく、おくぅ……おちんちんしてぇ? おくせつないれす、せんせぇぇ……」  とろとろに甘えた子猫みたいな声を出して、喘ぎ声を漏らしながら腰を揺らし続ける。ねだるというより、腰を揺することで快感を得ているようで、腰を上下左右にじっくりと動かしながら、あー、あー、とさらにとけた声を出しだ。 「結腸抜き……もう、クセになっちゃったの? たまんないね。開発し甲斐がないな、君は」  言ってる意味がわからないのか魂が抜けたみたいな顔をして僕を見つめる。ものを何も知らない小さな子供みたいで最高に可愛い顔をしている。しかしあまり表情は変わらず、でもやや眉を下げて小さく首を傾げた。 「あ……わるいこ……? ごめんなしゃい……おく、らめ……?」 「ううん。ダメじゃないよ? ごめんね?」  早く突っ込んでしまいたいけど愛しくて愛しくてきつく抱きしめながら頭を撫でてあげた。 「奥まで入れるけど……すぐイッちゃったらごめんね?」 「ううん……らめれす」 「ダメなの?」  呂律も回ってないくせにはっきりとだめだと意思表示をされ吹き出して笑ってしまった。  

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