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恋人になれたらよかった⑤ ※先生視点

 お尻の割れ目に指を這わせ、どろどろになった穴にそのまま指を二本滑り込ませる。随分と奥に出したから出した量の割には精液が流れ出てる感じはしなかった。 「あっ、も……っ! いじっちゃ、や、れす……」 「んー? 開ききっていて、やらしいな」 「うぅ、言わないで……せんせ、だめぇ」 「満足、できた? もっとしてほしかった? きみ、すぐにイッちゃだめって……言ってたから」  ぷっくりしたままの前立腺を押し回してあげれば、だめと言いながらも腰をくいっと何度も突き出して自ら強く押し付けてくる。しかも撫でてくれていた僕の頭を抱え込むものだから、可愛いふっくらした乳首が唇の近くに押し付けられてこんなの口に含むしかない。本人がどんなつもりだったかなど知らないが、前立腺と乳首を刺激されてまた太ももをピクピクとさせて甘イキを繰り返しているようだった。  一日中弄り回された身体はもう求めて求めて止まらなくなっている。与えればいくらでも欲しいとねだってくる。  こんなことをずっと続けていたらまともな日常生活が送れなくなりそうだ。何をしていても疼いて欲しくて気持ちよくなることで頭がいっぱいの君は可愛いのだろうな。 「そういえば……トイレは平気? 連れてって、あげようか? ご飯も食べてないね?」 「う、ふぁ……せんせ、その、前に……おしりのあな、もう、くちゅくちゅしないれ……ぜんりつせん、なでなでおしまいぃ……きもちいいの、おしまいぃ……」 「普通にやめてって……言えばいいのに。なんでエッチな言い方しかできないの、君は? 嫌って言われても……毎回、煽ってるようにしか聞こえない」  前立腺はやめろと言うので指の出し入れを小刻みに繰り返し入口を擦る。僕を迎え入れて捲れて拡がってしまった肛門は、それでも気持ちよさそうに収縮してしっかり反応してくれた。 「あっ、それも、だめ……っ! えっちなこと言って、ごめんなしゃい……もうゆるして、もうだめ……やだぁ……ゆび、ぬいて……」 「そう? じゃあ……何か食べる? 朝から、何も食べてないね。ごめんね」  掻き回しているうちに下りてきた精液で水気が増し、吸い付いてくる穴から指を抜くとちゅぽんっと名残惜しそうな音が鳴った。  脱力した声を出す出雲を横向きに抱き上げ浴室に連れて行き、支えながら身体を流してやる。自分一人でちゃんと立っていられない上に、首や腹に触れただけでも敏感に反応して吐息を漏らす出雲を洗ってやるのは大変ではあったが、介護してあげられるのがとても嬉しかった。  身体を綺麗にしていつものTシャツと下着を着せてあげてもまだ出雲はふらふらとしていた。僕の肩にちゃんと掴まってはいるが顔には覇気がなく、話しかけても目が合わずどこを見ているのかわからない。 「リビング行こうか? 抱っこしてあげるから、掴まって?」  頷いて首に腕を回してくれるから一応何を言われているかはわかっているらしい。抱き上げるといつもより重く、ずっしりと体重をかけられているのがわかる。眠っている時のような抱き心地だ。意識はあるのに完全に僕に頼りきって身を任せている。  ずっとこうならいいのに。完全に僕なしじゃ生きていけない君を世話することに、セックスした後と変わらぬくらいの満足感と幸福感を得ている。こんな君ならずっと家に置いていても罪悪感がわかないだろうな。僕がいないとダメなのだから。 「何か簡単に食べられるもの……あったかな。見てくるね?」  ダイニングテーブルより並んで座れるソファがいいだろうと出雲を下ろそうとするが、ぎゅうっと首にしがみついてきて離れようとしない。まだそんなに力が残っていたのかと思うくらい。二の腕あたりをトントンと軽く叩いて離してと催促してみるが、いやいやと首を横に振る。 「離れたくないの?」  聞けば、頷いて頭を首筋にすりすりしてくる。もうそれ以上くっつけないよと教えてあげたいほど、ぐりぐりと頭を押し付けてくるのだ。  少し意地っ張りなところがある出雲は気持ちいい時やイッた後は素直な甘えん坊になる……が、今はずっとそんな状態が続いているということだろうか。ずっとこんなに可愛かったら心臓が痛いな。鷲掴みにされて握りつぶされそうな破壊力を感じる。  あれだけ激しく腰を振った後に普段より体重をかけてくる出雲を抱っこして移動するのは辛いものがあるが、それよりも要求をすべて応えてあげたい思いが強くそのままキッチンへと連れて行く。そのうち腰を痛めるな。鍛えるのも筋肉のついた自分も全く想像がつかないが、少し考えてみたほうがいいかもしれない。  この子が帰らないなら、という仮定の上での話ではあるけれど。  キッチンについて、床に下ろすとまた抱き上げるのが大変なのでキッチン台の上に出雲の腰を下ろした。離れようとするとまた少しの抵抗を見せたが、少し冷蔵庫を見るだけだよと諭すと抱きついていた首を解放してくれた。身体を離すと、こちらを見上げている出雲とやっと目が合った。口を小さく閉じたやや不満そうな顔に微笑みかけて、頭を撫でて頬を撫でてやる。 「たくさん……食べたい? 食欲は?」 「りんご……」 「りんご、食べたい? 皮剥かなくていい?」  絶対に剥けないと思ったから頷いてくれた事に安堵して冷蔵庫を探る。ちょうど二つ残っていたので僕も一緒に食べようと準備に取りかかるが、出雲の座る横にまな板を置いたところで出雲が腰を揺すって身動いでいることに気がつく。俯いている顔を覗き込めば、真っ赤な頬をして固く目を閉じていたので、どうしたのかと声をかけてみる。 「出雲? どうしたの? やっぱりトイレ、行く?」  下を向いたまま首を横に振る。しかしその間も落ち着きなくもじもじと腰をキッチン台に押し付けるように動かしていた。その動作を見て出雲の身体に何が起きているのか大体察して、面白いからそのまま放置することにした。  前立腺を外側から押してあげるだけで感じてしまうのだから、座っているだけで会陰が圧迫されて気持ちよくなってしまっても何ら不思議はない。それで下りようとせずに腰を揺すってさらに快感を得ようとしているのは流石という感じがするが。  無視するフリを続けながらりんごをカットしていれば、キッチン台に手をついて前後に腰を揺らしずりずりと気持ちのいい箇所を擦り始める。口を結んで一応声は我慢しているつもりのようだが、ん、ん、と鼻から気持ちよさそうな声があがってしまっている。 「ここでそのまま食べさせてあげようか? 随分と……楽しんでいるようだし」  切り終えた林檎を大きめのガラスの器に移して、その一つにフォークを刺して出雲の口に運ぶ。  出雲は俯いていた顔を上にあげて口を開けるが同時に、ふわぁっと間抜けな声をあげた。目はまた涙が溜まっているし、一声でたことで我慢する気がなくなったのか短い喘ぎ声を吐き始めるし、既に快楽の虜といった様子だった。 「あっ……あっ……せんせぇ、むずむずして……へ、んっ……へん、です」 「前に……このままじゃ椅子に座れなくなっちゃうよって、言ったよね?」 「え、座ってる……から? ん……きもちい……」 「我慢して……じっとしないと、ね? ほら口開けて?」  腰を揺らすのは止めたが、今度は我慢するために太ももをぎゅっと力を込めて閉じているせいで、口も開けづらいようだった。仕方ないので顎を下向きに押し開き、くし切りをさらに半分にした林檎を食べさせる。  赤い顔をして涙目のまま、シャクシャクと林檎を咀嚼させる音を響かせながら口を動かす姿が可愛い。林檎の入った頬が膨らんでる。怒られたあとの子供みたいだ。実際には気持ちよくなりたいむずむずを我慢している姿だが、どちらでも可愛いに越したことはない。  こくん、と飲み込むのを見届けて、次をまた食べさせるのを繰り返す。今日は手首を拘束しているわけではないが、お互いそうするのが自然だというように食べさせる行為を続けた。 「もう……日付が変わるね? 丸一日一緒にいられるのは、最後かな」  林檎を自分の口にも放りながら告げれば、出雲は僕の袖を掴んで首を横に振った。 「や……ずっと一緒、です……」 「君が、登校日に帰るって……言ったんだよ?」  下を向いてやだやだと首を横に振りながら、掴んだ裾を引っ張って僕の身体を引き寄せる。ぎゅっと抱きついて、肩口に顔を埋めて、それでもなお自分の顔を擦り付けるように首を横に振る。 「先生、がまん……できません」  僕にしがみついて、腰をくねらせキッチン台に気持ちがいいところを擦り付け始める。あ、あ、とすぐ気持ちよさそうな声が漏れる。 「きもちい……せんせぇ、きもちい……おれ、もう……ここに、とじこめておかないと、あっ……外に出しちゃ、だめな子、ですよね……?」  胸に顔をくっつけたまま、今にも涙が零れそうな上目遣いで息を荒らげて訴えてくる。  離れたくなくて言っているのか、身体がどうにもならないのか判断に困るほど気持ちよさそうにしているが、そもそも帰るというのも僕を煽るためだとわかっている。君は馬鹿だ、本当に。自分を犠牲にしてまで僕を満足させることないだろう。 「あぁぁ……なかも、こしゅりたいよぉ……せんせぇ、もう、だめ……ここから出しちゃ、だめ……すぐ、おちんちんほしく……なっちゃい、ます……からぁ……」 「ふうん? 見境なくなっちゃうの?」 「ううん、ううん、先生じゃないと、や……! だからここに、います……もっと、もっとだめな子にして、ください……」  身体は確かに大分手遅れだけれど。この訴えを聞いて、さすがに頭はしっかりしてるなと思った。計算できてるじゃないか。  そばに居たいからとかいう打算抜きで求めてほしいのにと、少しがっかりした。もっとだらしなく求めてほしい。さっきまでの頼りきった甘えっぷりも疲れていただけか。つまらない。 「悪いけど、萎えちゃった」 「え、やだ……せんせぇっ……!」 「一人でしなよ? 見ててあげるから。扱くのは、ダメだよ? 玩具入れて。できる?」  出雲はしゃくりあげそうになるのを飲み込み、涙がこぼれ落ちる寸前の瞼を拭いながら頷いた。    

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