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第3話

「それって、どういう......」  彼が最後まで、話せなかったのは。  ......俺が彼の唇を自身の唇で塞ぎ、言葉を奪ってやったからだ。 「こういう事。  ......俺も日向のことが、まだ好きだったみたいだわ」  ニヤリと笑ってそう言うと、色白な日向の肌は一瞬のうちに真っ赤になってしまった。 「......紘平ってそういうとこ、ホント男らしいよね」  誉め言葉ともとれる発言だが、咎めるような響きを持っていたからきっと、誉められてはいないのだろう。    そして顔を見合わせて、二人ほぼ同時にプッと吹き出し、声を出して笑った。  こうしてこの日俺と日向は、友達をやめた。  まだこの関係に新しい名前をつける事は出来ないけれど、明日も、明後日も。  ......この先ずっと彼の隣にいるのが自分だと良いなと思いながら、そっと彼の手を握った。             【...fin】

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