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第1話-1
「ああっ……あはぁっ! あっ、ぁあっ……やぁっ……」
「おら、もっと腰落とせよ……っ」
「ひいぃんっ……もうむりぃ……ふかいぃ……ぁんっ……! 一番奥までコツコツきてるからぁ……っ」
……わあ。すごい光景だ。
大学生の永田 朝陽 は今、新宿にある鉄骨ビルの地下一階にいる。ゲイ向けアダルトビデオの撮影スタジオだ。
広々と天井の高い空間の、中央にはキングサイズのベッド。
その上に男が二人。
黒髪の男が胡坐をかいて悠然と座り、その上で金髪の男が腰を振りたくっている。
金髪の男の尻には黒髪の極太の巨根が深々と挿入され、下から激しく突き上げられていた。
どちらも身長は180センチを超えているだろうか。パワフルかつダイナミックで、それでいて艶めかしい。
「やらぁ……っ! もっ、ご主人しゃまぁ……っ、おかしくなっひゃっ……あひっ! ひんっひぃっひぃんっ……!!」
「もっとだ……っ、もっと腰遣って主人に奉仕しろ、淫乱執事」
無慈悲な責め言葉と共に、パンパンと乾いた律動音が響き渡る。
「んひぃ……! んひっ!」
容赦のない抜き差しに仰け反る金髪男。
永田朝陽はそんな激しい光景を、少し離れた機材の陰から眺めていた。
「激しい、ですね……」
「あの二人のこと知ってるかい? ゲイビ界で今一番ホットな大人気男優だよ」
得意げに男優を紹介してくる男は、このゲイビデオの監督・高本 。
先日、朝陽はこの監督・高本にゲイ向けアダルトビデオの男優にならないかとスカウトされた。
自分がゲイだと自覚したのは中学生の時。
それから男体にむらむら悶々する日々を送ってきたが、ゲイであることを誰にも打ち明けられずにいた。
しかし、ゲイとしての人生を全うするんだ!と一念発起して田舎からゲイタウンのある東京に上京して3年……だが、朝陽は気弱な男だった。
なかなかゲイバーといった出会いの場に向かう決心がつかず、周りに都合よく同じ嗜好の者も現れず。
二十歳を超えた今も、相棒は我が右手とオモチャだけ。
その日もひとり寂しく、大人のオモチャの店でアナニー用のディドルを漁っていた時だった。 高本に声を掛けられた。「イケメンにお尻を掘られたくはない?」と。
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