解し終えて出て行った指の代わりに熱く硬い切っ先が宛てがわれた。いよいよ待っていたものがくる。そう考えていると膝の力が抜けた瞬間、腰が自然と下がり黒の肉欲を一気に飲み込んだ。 「…っああー！」 「‥周…平気か？」 「んん‥びっくりした…一気に入って‥」 「私も驚いた…膝立ちは辛いか…」 　黒が無理をしてベッドの端に腰掛けた。灼熱を収め、座位姿勢のまま足を前に投げ出し楽な姿勢になった。向き合う体勢で腰を抱かれながら浅く突かれる。 「ん‥あッ…んん、はっ‥あ…」 「楽か？」 「っあ‥楽…」 徐々に深く突かれ、はち切れそうに膨れ上がった肉棒を握られた。前も後ろも刺激されてはしたなく声を上げ、自ら腰をくねらせる。 「っ‥ん、周…」 「‥んふ…っ、黒…いい？」 「く‥っ…は‥」 　上擦った声のまま尋ねると黒は悩ましげな表情で深く息を吐き、堪えるような声を上げた。喘ぎとは言えないが、気持ち良さそうなのはわかる。中で脈打ち、大きく成長したから。 　角度を変えながら突き上げられ、絶頂へと追い上げられていく。 「っあぁ…へ、黒‥も…っう‥ん…イっああ‥」 「く‥んッ…っふ…周…」 　腰を抱く手に力が篭り、ラストスパートをかけ激しく突かれる。自身でも上下に体を揺らしながら、二人同時に達した。 「っああぁ…っん‥はぁあ‥ーー！！」 「…ッ‥んん…く、は‥っーー！」 　互いに達する顔を堪能した。中で吐き出された精液が奥へ注がれる。ビクビクと灼熱が震えている。 　視界が白くなり黒の腹や胸に白濁を飛ばす。互いに息を整えながらキスを交わした。 「…周‥平気か？」 「…ん、ここに‥あったかいのを感じる」 「生でしたからな…すぐに処理しよう」 「いやだ。まだこのままでいよう」 　ぐったりと体を黒に預けたまま余韻に浸る。先ほどまで震えていた塊がいやらしい音を立てて出て行った。急に寂しくなる。 「黒‥抜かないで…」 「続きは、我妻が居なくなってからだ。これでわかった筈だ。私はお前を抱くことはない」 　黒の視線が我妻と交差する。悔しそうに顔をしかめ、そのまま出て行った。はっきりと言ってもらえてよかった。 　約束だからとか義務感にかられてではないと言われた気がしたから。 　そしてこの夜、昔みたいに何度も互いを求め無理のない体勢で抱き合った。最後には果てて眠りについたのだった。