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再会−1−
前期の最終日、つまり明日から夏休みということもあり、いつも学部同士で椅子取りゲームが繰り広げられる学食はガランとしていた。
「純、こっちこっち!」
そう言って手を振っているのは同じ国際学部の努だ。
努とは入学式の座席が隣で、同じ東北出身ということもありすぐに仲良くなった。中学からバスケ一筋で、ひときわ背が高く、よく待ち合わせの目印にされている。面倒くさがりでレポートや試験勉強はいつも後回しだが、いつも話を聞いてくれる大切な友達だ。
「今日は珍しく早いじゃん」
「そうそう、教授が5分前に授業終わりにしてくれたんだよね。話つまんなくて嫌いだったけど、ちょっとだけポイント上がったわ」
「なんだそれ」
「まぁ、明日から夏休みだしそんな話は置いといて。純は夏休みどっか行ったりすんの?」
「うーん、実家帰るくらいかな。こっちいても暑いし」
「まじ!遊びに行ってもいい?」
「親に聞いてみるけど、来るとしたら課題終わらせてからな」
「それは無理なお願いだな」
「出た出た···面倒なこと先に片付けたほうが楽しめるだろ」
「前向きに検討する」
「検討だけで終わらないように」
「ほーい、俺これからバイトだから行ける日決まったらまた連絡するわ」
「了解、またなー」
次の日、10時台の新幹線に乗って地元である山形県米沢市へと向かった。大学の友達が遊びに来るかもと親に電話したら、ご馳走用意しなきゃねとなぜか張り切っていた。
米沢までは約2時間の道のりで、いつもならスマホで映画を見たりして時間を潰すのだが、昨日あまり眠れなかったので寝ることにした。
ー隣に誰も来ませんように···
「あのー」
誰かが僕の肩を叩いている。
アナウンスが大宮駅到着を知らせている。
ーもうちょっと寝たかったんだけどなぁ
起こされたことに少し苛立ちながら、顔を上げるとそこにはもう会わないと思っていた見慣れた顔があった。
「ほ、堀内先輩!?!?」
驚きのあまり立ち上がり、荷物置きに思いっきり頭をぶつけてしまった。大きな音がして、乗客の視線が僕に注がれる。
「す、すみません」
「純、大丈夫か?」
驚きと恥ずかしさが入り混じりながらも、堀内先輩のスーツ姿を見てドキッとしてしまった。
ー忘れようと思ったのに、気持ちに蓋をしていたのに···どうしたって好きだ
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