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1.ワクワク

今日はとデートの日。バイトである花屋の店員のは、時間を見つけては和彦とメールのやり取りをしていた。 『今日、“あの時の河”で待ってる。5時には居ると思うから』 “あの時の河”。それは和彦が愛の告白をしてくれた場所。 「「沙苗、俺と付き合ってくれないか?」」 僕を好きだと言ってくれた。 夜の大きな河原で、沙苗の両肩を掴み、唇を塞がれた。 ビックリした。けど、嬉しい気持ちもあった。 和彦はある理由で本気の恋をしないと決めていたらしい。数年間、友達として沙苗と付き合って、やっとそれを解禁したのだ。 沙苗は昔の事を考えながら、店の出入口を見る。 『うん。こっちは5時には行ける様にするね。仕事、頑張ってね』 お揃いのキーホルダーの付いた携帯から返信をして、お店のエプロンのポケットに奥まで仕舞う。 デートの5時まで、残り2時間弱。頑張って仕事を終わらせよう。 「いらっしゃいませー」 丁度入って来たお客さんに挨拶をすると、一緒にバイトをしている女の子の美樹ちゃんが対応する。 沙苗は周りにある明るく輝いているお花達を見て、はやる気持ちを抑えた。

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