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第7話
悩んで答えられないリョウを見つめるアヤの瞳は虚ろなようで、それでいて奥にはギラギラしたものが光っているようにも見る。
「今日は挿れるより挿れられたい?」
「んー、そういう問題じゃあ」
「なら、してよ」
「疲れてないの?」
「疲れてる、からリョウが満たして」
ここまで言われて、言わせて、これ以上断る理由があるのだろうか。リョウは母親が赤子を慈しむようにアヤを扱い、優しく穏やかに抱いた。
本能としては激しく奥を突き抉りたいが、あくまで律動も緩やかに、内から外からぴったりと互いの肌が密着する感触を愉しんだ。
この肌に触れるのに、匂いや息遣いを感じるのに、いつも一ヶ月、二ヶ月とお預けを食らう。早く、毎日好きなだけ味わえるようになりたい。
リョウは下になったアヤをすっぽり包み込むように抱き竦め、五感全てでアヤを感じ取った。
「アヤ、気持ちいい?」
「そんなに気遣ってくれなくていい」
「?」
意味がよくわからず愛想笑いで誤魔化していると、視界が反転した。
「もっとガツガツ奥まで突いてこいって言ってんの」
あっという間にリョウが組み敷かれる形に逆転され、アヤがリョウに跨がる体勢に変わっていた。
その眺めを目の当たりにしただけで、リョウはもう達してしまいそうなほど昂ぶってしまう。
「何でここでおっきくなるの」
「だって……絶景すぎて」
直視できず、手で顔を覆うリョウ。
の上で、アヤが動いている。
リョウは興奮しすぎて、自ら動くことすら忘れていた。
アヤは疲れているから、今日は挿れられる側に回ったのではなかったのか?
後ろに手をついて揺さぶっているアヤの腰をしっかり支え、リョウはすまなそうに言った。
「こっち倒れてきて。くっつきたい」
一旦動きを止めたアヤがリョウの上にしゃがみ込むような姿勢になり、ゆっくりともたれてくる。同時にリョウは身を起こし、向かい合って抱き合う形となった。胸部、腹部がぴったり重なりちょうど顔と顔を突き合わせる位置になると、当たり前のようにどちらからともなく唇を貪り合う。
この幸福感に酔いしれてついうっとりしていると、またアヤから檄が飛んでアヤが動くハメになる。幸せに浸るのもそこそこに、リョウはアヤの腰をしっかり支えながら、思い切り突き上げた。初めはゆっくり、次第に速く。
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