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第8話

 アヤの良いところにぐいぐいと先端を押し付けてやると、肩に回されている腕の力が強まり、思い切り爪を立てられた。  少し身を離してて自身を扱き始めたアヤの手をリョウの手が制止し、代わりに愉悦を与える。 「は、ぁ、あっ、はぁ、」  近頃ようやくわかってきた。相変わらずリアクションに乏しいアヤの、絶頂が近いサイン。 「そろそろイきたいやんね?」 「うん」  普段めったに見ることのない、素直なアヤの反応に、リョウはますます愛しさを感じ、吐精欲が頂点に導かれる。 「かわいい……アヤの中で、俺もいかしてな」  前を扱く手と、なかを抉る腰の速度が増し、リョウはアヤの中で、アヤは全身を大きく震わせて、互いに達した。  リョウの鎖骨のあたりまで、アヤの熱く滾る白濁が飛散した。  それまでの水音、軋み、吐息、嬌声、と入れ替わりに、ぜえぜえと荒い呼吸だけが部屋に響く。アヤは横になって肩で息をしながら、もう目を閉じてしまっている。このまま眠りについてしまうのかもしれない。  なのだが、リョウはどうにもおさまらない。何がって、猛りが。  ここだけの話、リョウは達するのが早い。本人の名誉のために言えば、これまで歴代の恋人に対してはそんなことはなかった。だがアヤといたす時に限って、それも抱く側に回った場合のみ、やけに早い。体は満足しても、心がまだまだ物足りないのである。 「アヤ、もう寝た?」 「ん……何」  すっかり満足して眠りにつこうとしているアヤの表情は穏やかで、少し甘えているようにも見る。こんな顔、めった拝めない。リョウはますます愛しさと欲が増してしまう。 「もっかい、いい?」 「――は?」 「もっかい、入れていい?」 「え……」  さっきまで、アヤのことを過剰なまでに労っていたのはどこの誰だ? 眉を互い違いにして、何を言っているんだという怪訝さ丸出しのアヤに、構わずリョウが覆い被さる。 「ちょっと、」 「ごめん、あんなんじゃ全然足らんかった」 「ひっ、っあ!」  汗だく第二ラウンド終了後はもちろん―― 「明日は朝イチ出発、無理かなあ……」  リョウが優しく独り言つ目線の先は、汗だくで髪を乱したまま眠りこけるアヤ。額に張り付いている髪を優しくこんな無防備なアヤを知っているのは自分だけなんだなと悦に入る。 「ゆっくりおやすみ、俺のかわいい眠り姫ちゃん」  寝ているのを良いことに、本人が聞いたら絶対機嫌を損ねそうなことを呟いた後、額を啄むと、リョウも目を閉じた。

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