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 音もバイブも無いまま、ただ暗闇に光る画面上のみで着信を知らせる携帯に手を伸ばす。 『あ、やっと出たっ』 「……ミキか、何だよ……」 『つばさ冷たぁいっ! 今どこにいんの~?』  遊び相手の1人である馬鹿女の、舌っ足らずな甘い声に舌打ちしながら起き上がる。  横で小さく身じろいだ千尋に目を向けるが、またすぐに聞こえてくる規則正しい寝息。 『また女の所? 早く戻ってきてよーっ』 「んー……お前もういらねぇわ」 『は?』  綺麗な寝顔……。  千尋の目にかかる前髪を掬ってやると、その手に小さくすり寄ってくる。 『マジ意味わかんないんだけど。何? 本命でも出来たわけ?』  あくまでも優位に立ちたいらしい。小馬鹿にするように笑う女に苦笑しながら、千尋の髪を撫でて、  そして、そのまま掴んで乱暴に引いてやる、 「本命? 馬鹿じゃねぇの?」 「んっ……」  わずかに眉根を寄せ、それでも目を覚まさない千尋にクスクスと笑いがこぼれる。 「新しいオモチャ見つけたから、」  まだ何かを喚く声を無視して、ばいばい、と電話を切る。ミキか。身体は良かったんだけどまぁいいや。それに、性欲ならこいつで全部補えるから問題もない。 「千尋、」  お前最高だよ。顔も声も身体も感度も。撮影の時の泣き顔と叫び声なんか、マジで最高だった。  言うこと聞く奴なら誰でもいい。お前の中身もどうだっていいし、興味も無いけど。 「お前は、俺の為に、ただ泣き叫んでりゃいいよ」  壊れたら、捨てるだけ、

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