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「じゃあ、基本的にペアの絡みで撮影進めていくこと。あと台本の……」  撮影前の打ち合わせ。  監督の指示を聞きながら、なんとなくアヤの相手役になる男優さんに目を向けると、丁度向こうもこちらを見ていたようで。ぺこりと頭を下げられる。  アヤが着替えを終えてシャワールームから出て来た時には既にペアが決定していた。  別に監督やスタッフの采配ではなく、あのネコ3人が勝手に選んだらしく、余り物の一人が流れてきた感じ。  こちらもぺこりと頭を下げ返すと、それを見ていたネコ3人が揃ってクスクスと肩を揺らす。 (何なんだようぜえな……)  その時はいつもの陰口の延長線としか思っていなかったが、撮影が始まってからあの3人のにやけ顔の意味を理解した。 「んっ、んむ、んんぅ、」  軽くいちゃいちゃした後のフェラ。  他の3人はフェラの合間にお互いにキスし合ったり、ペア以外の男優に触って貰ったり、アンアンと楽しそうに入り乱れる。  アヤとこの男優は完全にシカトされて蚊帳の外だ。  ハブかれる事なんて最初から分かっていたし何の問題も無い。ただ黙々と台本通りのプレイを進めていた。  が、そこで異変が起きた。 「んむっ、ンっ……?」  くわえていた先端から滲み出てきた、いつもとは違う味。最初先走りかと思ってスルーしようとしたが、何かが違う。  精液でも先走りでもなくて…… 「……ッ!?」  その味の正体に気付いて、思わずモノを口から抜こうとする。だが、興奮した男優に頭を掴まれて、そのまま喉奥まで突っ込まれ、 「ンっ!? んっ、ーっ!」 「はあっ、はあっ……!」  喉に熱い液体を流し込まれる。  知りたくもなかった独特の味と、鼻につくアンモニア臭に吐き気がこみ上げてきて。 (いやだ……!) 「っ、ゲホッ! ゲホッ!」 「アヤちゃん、まだ駄目だよ、」 「……っ!? やめっ……」  じたばたと抵抗して何とかモノを口から吐き出し、床に手を付いて思いっきりむせる。  だが無理やり前髪を掴まれ顔を上げさせられ。また口に突っ込まれるのかと思って背けた顔に、顔射でもするような動作で男のモノが近付いてきて。 「……え……、」  熱い液体が、シャワーのように降りかかってきた。  一瞬何が起きたのか解らなくて。 ポカンと固まるアヤの顔にかけられ続ける、熱くて黄色い液体。 「ッ! やっ……やあああッ!」 「はあっ、気持ちいい……アヤちゃんにおしっこするの気持ちいい……ハァ、はあっ!」 「いやだっ! ゲホッ! やめてっ……やだ……ッ!」  有り得ない、汚い、臭い、気持ち悪い、信じらんない、怖い、汚い、気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い、  崩れ落ちるようにうずくまり、こみ上げてくる吐き気に口元を押さえる。  助けを求めて手を伸ばした先には、3台のカメラ。  いつの間にかアヤ達はこの乱交の主役になっていて、あとの6人にはカメラも音声も付かず、スタッフ達に完全に放置されていた。 「続けて!」  監督の声に、男優はアヤの身体を押し倒して挿入する。 ぐちゅぐちゅと卑猥な音が響く、  あと半月しかない。 「はあっ、気持ちいいっ! 気持ちいいっ!」 「……」 「アヤちゃんの中に出したい! はあっ、はあっおしっこ出していいっ!? 出すよっ!?」  あと半月もこれが続く。  ああ、まるで生き地獄、

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