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第413話※

「んっ、ンッ、あぁっ、アッー」 ギシギシとベッドを揺らして、俺は、下からニヤリと見上げてくる火宮の上で跳ねていた。 「んっ、ハッ、ずるい…俺ばっか」 ベッドに腰掛けて、俺を乗せている火宮は、ズボンの前を寛げただけの姿で、まだまだ余裕そうだ。 「脱い、で、下さ…火宮さ、も、脱いで…」 ゆさゆさと腰を振りながら、グイッとワイシャツの胸元を掴み上げる。 「ククッ、胸倉掴んでおねだりとは、まったくおまえらしい」 どうせ俺は、基本的には媚びたり甘えたりするのが苦手ですよー。 んべぇ、と舌を出して、ズプッと腰を落として火宮を奥まで飲み込んでやったら、ギラリと妖しく火宮の目が輝いた。 「ククッ、それはディープキスの催促か?」 「なっ、違…ンッ」 この人はぁぁっ。 その自由な解釈。本当、火宮だ。 言うが早いか、すでに塞がれた唇に、鼻からくぐもった吐息が漏れる。 「んっ、ふっ、んぁ…」 あぁやばい。だけど気持ちいい…。 クチュッ、と水音を響かせて、絡め取られる舌に、力が抜けていく。 「あっ、あっ、じんー」 へにゃりと脱力した身体を、必死にぎゅぅ、と火宮にしがみつかせた。 頭を預けた首元から、大好きな火宮の匂いがして、スンスンと嗅いでしまう。 それだけでは飽き足らず、思わずペロリと舐めたら、ドクリ、とナカで火宮が大きくなった。 「っくそ、おまえは」 「んぁっ?刃?」 「無意識にそうやって」 悪いやつだ、と囁いた火宮が、バッと上着を脱ぎ捨てる。 「え…?」 ゆさっ、と身体が揺れ、ズルッと火宮が抜けていくのを感じたのと同時に、ぐるん、と視界が半回転していた。 「っ…」 とさっ、と背中がベッドのスプリングに沈む。 パパッと手早く残りの衣服も脱ぎ捨てた火宮が、キシ、と俺の上に乗り上げてきた。 「っあ…」 ぐい、と持ち上げられた両足の間に、火宮の身体が割り込んでくる。 均整の取れた体躯に、綺麗な肌。肩口に残る引き攣れた傷痕は、あの日の記憶。 愛おしい、俺の、大好きな身体。 「んっ、好き。好き、刃」 両手を突き出して、この腕の中に捕らえさせてくれと強請る。 「ククッ、だからおまえは」 ぐい、と引き寄せた身体に、ぎゅぅ、としがみついたら、愉悦に喉を鳴らした火宮が、ピタリと性器を蕾に押し当ててきた。 「くれてやる。俺のすべてがおまえのものだ」 心も、身体も、今も、この先の未来さえもすべて。 「精の一滴、血の一雫まで搾り取れ」 そして、命までも。 「っ、あ!…あぁぁっ」 ズプッ、とナカを穿たれて、たまらず背中が仰け反る。 「あっ、あっ、刃。すごい。奥っ…」 ガクガクと奥の奥まで揺さぶられ、苦しいほどに求められる。 「あっ、あぁっ、刃。じん。俺もっ…」 「クッ、翼」 「俺の、全部も、刃のものっ。刃だけの…」 ジュプッ、ズプッとナカを穿たれ、目の前がチカチカした。 「じんーっ」 きゅぅぅっ、と締め付けた蕾のナカと、ガブリと噛み付く勢いで首筋につけたキスマーク。 「刃っ」 これ、俺の。 「クッ、翼」 お返しと言わんばかりに、チクリと首元に走った痛みは、火宮からの所有印か。 「っ、あ。あっ、あっ、あぁぁぁっ!」 イ、くっ…。 激しさを増した律動が、一際強くナカを穿ち、俺は目の前が真っ白になるような絶頂に辿り着いた。 「っ!」 ビュルルッ、と中心から白濁が飛び散る。 きゅぅ、と締め付けたナカで、火宮の形をリアルに感じる。 ぎゅっ、としがみついた火宮の身体に、ギリギリと爪を立ててしまったのを自覚した瞬間、「ハッ」と熱い吐息を耳元に感じた。 「あぁ…」 そのイき顔。 ドクドクとナカで脈打つ火宮の熱が心地いい。 「幸せ…」 俺のナカで果てた火宮が嬉しくて、へにゃりと頬を緩ませたら…。 「ククッ、今日はこれで終わると思うなよ?」 「え…?」 「まだまだ。さぁ2ラウンド目だ」 「は?」 ちょっ、ちょと待て。 今イったよね? 確かに出したよね? なのになんでだ。ナカの火宮が、ムクムクと大きくなっている気がする。 「刃っ?!」 「ククッ、啼いて声が枯れるまで、攻め抜くと言っただろう?今夜は限界まで、イッてイッてイきまくらせてやる」 何度ヤれるかな?と笑った火宮が見えたときにはもう、律動が開始されていて。 「ひぃぁっ、あぁぁっ…」 イッたばかりの敏感な身体が、またもズンズンと揺さぶられていた。

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