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第480話※

「あっ、あっ、駄目ーっ!」 容赦のない前立腺への刺激に、パァッと目の前が真っ白に眩んで、ビクビクッと身体が痙攣した。 「ひっ、ぃ、あっ、う…あぁっ」 「ククッ、イったか」 「あっ、イッ…まだっ、またイくっ…」 ドクッと震える性器から、けれども白濁は出せなくて、俺は射精を伴わない絶頂に、何度も何度も身を震わせた。 「ふっ、空イキで、イきっ放しだな」 「あっ、あぁっ、またっ、まだっ…もっ、やだ、やだ」 イってもイってもイき続け、快感を超えた快感はもう苦痛でしかない。 頭と身体がどうにかなるかと思うような、長く続く絶頂の中、俺はパタリとベッドに倒れた身体を、ぐずくずと身悶えさせた。 「あっ、あっ、助けて、刃。もっ、辛…」 「ククッ、随分とよさそうだが?」 「なっ、ばっ、あっ、よくな…っ、辛い」 バイブの刺激なんかに喘がされ、射精を阻むリングをつけられたまま絶頂させられるこの辛さ、分からないかなぁ! 「仕置きだぞ?」 「あっ、んっ、分かって、ますっ…」 安易な考えでコンビニに寄って拉致られた。 霧生に逆らって鞭跡やバイブの痕跡を残され、火宮の前で別の男を好きだと言った。 「クッ、本当に?」 「んっ、あぁっ、ほ、んと、に。本当に、分かって…」 俺の身体を支配していいのはあなただけ。 俺の心が慕うのは…。 「あ、なた、だけ…刃だけを、愛して、るっ…」 快楽の熱に浮かされて、俺は何を口走っているのだろう。 無事に帰れて良かった。 あなたと、あなたが大切にする組織を守れて良かった。 ただただ、あなたの愛しいこの腕に、俺はこうして居られるんだってことが…。 「死ぬほど、幸せ…」 あぁっ! 一際大きな快楽の波が押し寄せ、俺は何度目とも分からないドライでの絶頂に身を震わせた。 「う、あぁぁ、あぁっ…」 もう、意識を手放していいよね? 限界を超えた快感に、ボーッとしてきた頭で考える。 空イキを続けた身体はクタクタで、なるがままに身を任せようとしたとき。 「ククッ、可愛いことを言う」 「っあ?あっ…」 スルリと中心に伸びてきた火宮の手が、パチリと縛めのリングを外し、カチリとバイブのスイッチも切られていった。

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