49 / 719
第49話※
「ほら、答え合わせだ」
「ひぁっ、やぁっ…んァッ」
バラバラと、3本の指が好き勝手にナカを掻き混ぜる。
それが答えだと言われても、もう追加された指がどっちかなんて、判別する余裕などありはしない。
「ひぁっ、いぁっ、あ、あぁぁっ」
ズチュとか、グチュとか、後ろから上がる淫らな音が、聴覚までも犯してくる。
「ククッ、腰が揺れてるぞ」
「ふぁっ、あぁっ、だってぇ…」
もう無理。
確実にポイントを擦る指が、思考も余裕も奪い去り、圧倒的な快感だけを高めていく。
「もっ、イきたい…出したいっ、火宮さんっ」
前は完全に勃ち上がり、ポタポタと先走りがシーツに染みを作っている。
「あぁっ、もっ、やっ…お願ッ…」
イカせて…。
「ククッ、褒美か、仕置きか。どっちだ?翼」
「わかんなっ…わかんないっ」
もうどっちだっていい。
なんだっていいからイかせて。
「お願いっ…もっ、火宮さんっ」
「なんだ」
「い、入れてっ…」
快楽のあまり、俺は何を口走っているのだろう。
もう自分で自分が制御できず、わけもわからない。
「っ、翼」
「んぁッ…あっ」
なんか火宮が後ろで息を飲んでいる。
同時に一気に抜かれた指の代わりに、熱いものが押し当てられた。
「っ、く…」
「ひぁっ、いぁぁっ、あぁぁっ!」
解された蕾を一息に貫かれた瞬間、盛大に白濁が飛び散った。
嘘…イッた…。
「あぁっ…はぁぁン、ぅぁ…」
「クッ、入れた瞬間にイッたか、可愛いことをする」
「やっ、いやぁっ…イッてるのにぃ…」
動かないで。壊れちゃう!
頭が真っ白になる快感の中を、さらに責め立てられてたまらない。
「フッ、これは、かなり…」
クる、と囁く火宮の低い声が、欲望に揺れている。
「クッ、そう締めつけるな」
「いやっ、やぁっ、わかんなっ…火宮さっ…ま、待ってっ…」
パンパンと肌がぶつかり合う音がして、後ろからはグチュグチュと粘膜が擦れる音が上がる。
射精の余韻で震えるナカを、休みなくガンガンと穿たれる。
「やぁぁ…イク…また出るー!」
上半身を支えていた腕がガクンと崩れ、腰をグッと掴まれて尻だけが高く上がった姿勢で、イイところを荒々しく擦られる。
「あっ、あぁっ…あぁぁっ、ッン」
口はまるで喘ぎしか出せない壊れたスピーカーみたいに、狂ったように嬌声だけをあげてしまう。
「やっ、やぁッ、イクッ…出るーッ!」
ビュッと2度目の白濁が、震える性器から飛び出し、パタパタとシーツを汚した。
「っ、ハッ」
きゅう、とナカが締まる。
咥えた火宮がググッと膨れ、熱い吐息が背中にかかった。
「ふっ、最高だ、翼」
「んっ、ふぁっ…」
「2回目で後ろだけでイクとはな。やはり筋がいい」
な、に?もうわかんない…。
「しかも、触れ、じゃなく入れろとはな。クックックッ」
あぁ、火宮さんが抜けてく。
やっと終わり?
「もっ、む…り…」
また寝落ち、と思うけれど、身体はだるくて限界で、瞼はどうしようもないほど重たい。
「ふっ…」
「んっ…」
あぁ、今日初めてのキスだ。
だけどもう応える余裕はない。
俺は、正面に抱き直され、一方的に口づけを受けながら、遠ざかっていく意識を感じた。
「翼」
あぁなんて優しい声。
誰の声?
ゆったりと夢の中に身を投じた目の裏には、誰の姿も映らなかった。
ともだちにシェアしよう!