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第353話※

「クックックッ、この程度ではもう、おまえには仕置きにならないな」 揶揄うように声を揺らしながら、今しがた叩いたばかりの俺のお尻を、サワサワと撫で摩る。 あっ、あぁっ、だめ。 敏感になった身体は、それだけでもゾワゾワと快感を得てしまい、ますます性器が反り返る。 っ、火宮さっ…。 どさくさに紛れて、ツプッと蕾に潜り込んできた指が、ローターをクイと押し、ばっちり前立腺に当ててきた。 っ、バカッ…。 この状態でそんなことをされれば、絶頂を迎えてしまうのは時間の問題で、思わず恨みがましく火宮を振り返ってしまった。 「クッ、そういう暴言の仕置きだと言っているのに、まだそんな目ができるのか」 懲りないな、と笑う火宮は、なんとも愉しげで。 「その折れない強気が可愛く好きだが、たまには甘く擦り寄って、媚びてくるのも見てみたい」 ニヤリ、と頬を持ち上げる、壮絶な笑みが月光とライトアップの光に浮かび上がり…。 「今日はとことん堕としてやる」 っーー! 覚悟しろ、と、ゾクリとするような色香に満ちた声で、残酷な台詞を紡がれて。 なにっ…? スルッと羽織を肩から落とされ、浴衣の帯をシュルリと解かれたと思ったら、素早く捕らわれた両手が、その帯でぐるぐると欄干に括り付けられてしまった。 っ、な…。 「いい格好だ、翼」 っ、こんなのは…。 「肌蹴た浴衣に、突き出された尻。軽く反ったその背は美しく、足の間で揺れる欲はいやらしい」 言、わないで…。 火宮に言葉にされるたび、その自分の姿をなぞるように想像するからたまらない。 「ククッ、ここはどうだ」 身動きのせいでハラリと落ちていた浴衣の裾を、再びバサリと捲られる。 っ…。 下着をつけていない裸のお尻が露わになった。 「月光を白く弾き返す、滑らかな双丘。奥の蕾は…」 ほら、と、回廊の床についた両膝の間に火宮の足が差し込まれる。 ぐい、ぐいと、膝を両側に押されれば、開いた足は肩幅よりも広くなってしまった。 やだっ…。 想像しなくても分かる、自分の今の体勢に、カァッと頬が熱くなる。 「ククッ、物欲しそうに、ヒクついているぞ。あぁ、ローターを咥え込んでいるんだったな」 いつの間にか振動が止まっていたローターの存在を思い出す。 「ククッ、出してみるか?翼」 意地悪く色を変えた火宮の声が、耳にねっとりと絡みつく。 スゥッ、と割れ目を撫でた火宮の指先が、剥き出しの蕾をツンツンとつついた。 ひぁっ…。 敏感で弱い部分に触れられ、下腹部がきゅんと切なく震える。 それにつられて、お尻の穴がヒクヒクと痙攣したのが分かった。 あっ、やだ…。 羞恥にカァッと身体が熱くなる。 ぎゅっ、と噛み締めた唇が痛んで、目には涙が浮かんだ。 「ククッ、いやらしい穴だ」 言、わないで…。 恥ずかしさにますますソコがヒクついてしまう。 「ふっ、淫乱。ほら、腹に力を入れて出してみろ」 ぐいっと双丘にかかった火宮の手が、すでに露出している蕾をさらに広げるかのように、左右に開いてきた。 あっ、いやっ。そんな…。 これまで何度となく見られているとは言え、その恥辱に慣れるわけではなくて。 っ、ふぇ…。 尻の穴を見られ、そんな場所を晒されたあまりの羞恥に、じわりと涙が滲んだ。

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