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第371話※

「あっ、あっ、やだっ…」 キシッと軋むベッドの音に、カァッと余計に頬が熱くなる。 内側から鍵の掛けられた保健室の中、ベッドの上で四つん這いになっている俺は、後ろをクチュクチュと弄る火宮の指に、翻弄されていた。 「ククッ、キュンキュン締まるぞ」 「あっ、あっ、言わないで…」 窓の外から、微かに体育祭の歓声が聞こえてくる。 俺は、そんな喧騒とは離れた保健室の中、淫らで恥ずかしい姿を晒しながら乱れていて。 しかも校内…。 「クッ、また締まった」 何を考えた?と、妖しく笑う火宮の声に、ゾクゾクと身体が震えた。 「あっ、ハッ、火宮さっ…も」 イかせて。 さっきから、焦らすように前立腺を掠めるだけの指が、酷く物足りなくてたまらない。 「ククッ、腰が揺れているぞ」 「あっ、あっ、だって…」 「こんな場所で、ハーフパンツをずり下げて、淫らに尻を突き出して。いやらしいな、翼は」 「っあんッ…」 連れてきたのはあなたでしょうが。 俺だって、本当は学校でこんなこと、嫌なのに。 「ククッ、少しは懲りたか?おまえがいざというとき、選ぶ相手は誰だ?」 「ひ、火宮さんっ」 分かった。懲りた。 だからもう許して。 お願いだからイカせて。 「ククッ、あの女子高生、呆気にとられてこちらを見ていたな」 「っーー?」 もしかしてリカのこと? さっき抱きかかえて来たときに、まさか、挑発してきた、とか? 恐る恐る振り返った火宮の顔は、ニヤリと企み顔に歪んでいた。 「な、にして、くれてる、んですか…」 もう、この人は。 どこまで大人げないんだか。 「ククッ、おまえがあの女を抱いてゴールした競技の記憶。全員から綺麗に消し飛んだだろう」 上書き、ってことか。 そりゃ、このどイケメンが、男の俺をお姫様抱っこして、見せつけるようにグラウンドを横切ったんだから、強烈なインパクトだろうけど。 「ンッ、じゃ、もう、気が済んだ…」 「ククッ、それとこれとは別だろう?」 「っ!」 なにそれ。 シュルッと火宮が持ち出したのは、保健室の備品の包帯? 勝手にそんなものを持ち出して…。 「そう言えばここの手当てがまだだったな」 「なっ…」 「競技中にこんなに腫らして」 ニヤリ、と笑った火宮が、手にした包帯を、するすると俺の性器に巻き付ける。 「ちょっ、やっ、なにして…」 「クッ、これで射精(だ)せないな」 キュッ、と最後に根元で結ばれた包帯をジャキンッと切って、火宮が妖艶に笑った。 「こ、んなっ…」 俯いて見下ろした性器は、突き指した指かよっ、て具合に包帯に巻かれて、先っぽだけが見えているのがまたなんともいやらしくて。 根元だけはキツく締められているから、出したくてビクビク震える性器が痛い。 「さぁ翼。たっぷり啼いて許しを乞え。快楽地獄の始まりだ」 ひっ…。 もう、反省してるのにっ。 「あぁぁぁっ!」 どSスイッチが完全にオンになっている火宮に、そんなことが通用するわけもなく。 グリッと前立腺に押し当てられたローターが、マックスモードで振動し始めた。

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