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第1話

 青峰高校1年、尾形 和己(おがた かずき)は、耐えていた。  耐えがたきを耐え、我慢していた。 (まだか? まだなのか? もういいのか? もう少しなのか?)  和己の下には、同級生の光井 律(みつい りつ)が横たわっている。  律を揺さぶりながら、和己は吐精を必死で抑えていた。  ふと、律と目が合った。  白い頬に赤みが差し、うっとり潤んだ瞳に、淫靡に薄開けた唇。 「あッ!」  思わず見蕩れた油断に、下半身が暴走してしまった。  和己は律の内に、熱い精を注いでいた。 「あ~……」  悔やんだところで、精子が戻ってくるはずもない。  和己はちらりと律を見た。 「早漏」 「ごめんなさい……」  みるみる縮んでゆく、可哀そうなペニス。  律は一足先にイッているし、不満をもらされるほど早くはなかった、と思う。  それでも彼にそう言われると、萎えるし傷つく。  いや、そんな和己のさまを見て、喜んでいるのだ。  この光井 律という少年は!

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