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第11話

 口の中に甘苦い味を感じて、和己はようやく律を離した。  他ならない律のものだ。飲んでやっても構わないが、そこまではまだ心の準備ができていなかった。  律はと見ると、腕を顔の上にかざし、隠してしまっている。  それでも半分だけ見えた顔は上気して、唇を開けはぁはぁと呼吸している。  胸は上下し、その呼吸は荒い。 (いい感じだぞ)  和己は律を腹這いに転がし、ボトムを下げて後ろに指を突っ込んだ。 「うぅっ」  苦しそうな律の声。  思わず、大丈夫か、と尋ねそうになったが、喉で飲み込んだ。  ここには、いつも優しい和己なんかいないのだ。  ぬぷぬぷと指を出し入れしながら、もう片方の手では律の前を扱く。  二か所責めに震える律だったが、そこに和己はちょうど目の前にある耳に噛み付いた。 「あぁ! ぃやッ!」  途端に、律は乱れ始めた。  そういえば、耳を弄るのは初めてだ。 (耳が、律の弱点だったのか!)  それならば、と耳を散々嬲った。  細く尖らせた舌先で溝をつたい、耳孔に差し入れる。耳たぶを食み、しゃぶる。 「あ、あぁ。和己、くんッ。もう、もうやめ、てッ」  律の前からは、とろとろと先漏れの体液がこぼれてくる。  初めて見る弱気な律の姿に、和己はのぼせ上った。

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