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終わりの始まりはバラの庭園にて

真夜中の薔薇の咲いた庭園。 様々な薔薇が囲むその東屋に、まるで密会をするように身なりのいい赤い少年と黒い庭師の青年がいた。 「全部、嫌だ。もう疲れた」 告解するように青年にこれから起こる出来事を打ち明けた少年は疲れた微笑みで言い。 しずかに涙を流した少年に、庭師の青年は優しく微笑んだ。 少年のいつも毅然としているその萎れたようにみえる赤髪をやさしく撫でながら。 庭師が見せるようなものではない、気品に溢れた微笑みをみせながら。 「明日あなたのいうとおりにことが起こり、あなたが何者でもなくなったそのときには 迎えにいってもよろしいですか?」 少年はすこしビックリして、でも安心したように嬉しそうに。 そして、恥ずかしそうに頷いた。

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