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第十九章・4
泉田邸から帰る途中、玄馬はそのまま幸樹を遠山のカフェへ送った。
「マスターに、いい報告ができるな」
「お父さん、とても優しい人でした」
後は……。
(後は、玄馬さんとの結婚を許してもらえれば、もっと素敵なんだけど)
我知らず、小さな微笑みを浮かべた幸樹に、玄馬は顔を近づけた。
「幸樹、キスしよう」
「ここで、ですか?」
「車の中なら、マスターに気づかれずに済む」
「ふふっ。じゃあ……」
二人、唇を合わせて温かな熱を伝えあった。
優しくついばみ合う唇は、やがて深く繋がり激しいキスになった。
「玄馬さん……、玄馬、さ……」
「幸樹」
舌を絡め、たっぷりと濃厚な口づけを交わしていた玄馬だったが、幸樹が何やら動いていることに気が付いた。
「幸樹?」
「お願い、玄馬さん。僕、欲しい……」
幸樹は、ボトムを脱いでいたのだ。
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