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第10話
駄目な子供と言う彼らの主張が、完全に正当化された気分だった。
会食へ出席しなくても良い。
その若干の安堵と相反して家族の顔に泥を塗ったのではないかと言う不安。
そして、大事な席に一人欠席をしたうしろめたさがあった。
時計を確認すれば時刻は十一時十五分。
始まるのは十二時からだから、そろそろ客室へ移動し来客の到着を待つ頃合いだ。
小さく咳き込み、喉が痛む。
そういえば寝てばかりで食事はおろか、水分を朝からとっていない。
――喉が渇いた。
確か冷蔵庫にスポーツドリンクが有ったはずだ。
ゲストの少年は玄関に入り、すぐに客室に通される。
客室の場所と、この部屋からキッチンまでのルートを考えれば鉢合わせになる事はない。
そこまで考え、倦怠感に重い体を何とか起こす。
熱の籠るベッドから出れば冷やりとした空気が気持ち良い。
二階の自室から階段を下りてキッチンへ移動するのは酷く億劫だが喉の渇きが限界を迎える。
そういえば、自分の昼食はどうなるのだろう。
何か用意をしてくれているのだろうか。
そんな事を考えながら、喉を潤す為に階段を降りる途中だった。
半分ほど降りた所で、楽し気な声が聞こえる。
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