「兄さんに無理矢理握らせたんだけど」 「きっと手が汚れたはずだ」 「ベタベタになってたね」 「すまない。義兄に悪気は無いんだ」 予想通りに断る相手に対し海輝は「え？　僕のパンが食べれないと？」と酔っ払いのように絡み強引にパンを押しつけ、嫌がる相手に「もしかしてイチゴメロンパンお嫌いですか？　じゃぁこちらはいかがです？　メロンパン三兄弟の次男のミカンメロンパンでーす」と今度は袋入りのミカンメロンパンを押しつけ、戸惑う相手が何か言う前に「おや、いりませんか。そうですか、では僕が食べる」と言い持ち帰ったのだ。 錦は脱力した。 更に海輝は、何を考えたのか「折角だから三男のお披露目もしてあげよう。メロンパン三兄弟の末っ子のバナナメロンパン君ですよぉ。はぁい、パチパチ皆さん拍手してぇ？」と機嫌良くバナナメロンパンを取り出しそれを半分にちぎって、「君、僕が食べさせてあげよう、あーん」っとその場に居た紗江の兄弟達の口に強引に入れようとして、流石にそれは乱暴だと朝比奈家の付き人に怒られたらしい。何がしたかったのだ海輝。 義兄の奇行に錦は更に頭を抱える。