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絶望に膝を折る

一体、何のつもりだ。 焦りと怒りに近い気持ちで、秋庭家に電話をかけるが不在だった。 時刻は二十三時を過ぎている。 夜分遅くにいきなり、絵を見て不安になり電話など非常識だ。 就寝してるかもしれないし、電話に気付かないかもしれない。 携帯電話の番号は知らない。持っているかも分らない。 流石に何度も連絡をする事は躊躇う。 錦の記憶では、秋庭家は夜になれば自宅に兄弟と両親が揃う。 異変があれば気がつく筈だ。 ――……本当にそうだろうか。 いくら家族でも、その内面まで覗ける訳でもない。 状況を考えても秋庭家の人間は、紗江と錦が接触したことも彼女が連日錦に絵を送っていることも知らないだろう。 紗江の行動を完全に把握して居るわけでも理解しているわけでも無い。

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