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3日目はゆっくり起きて、自由の女神を見に行った。
フェリーから見るマンハッタンのビル群は、また違った魅力があった。
遠くに見えていた自由の女神が近くなるにつれて、乗客のテンションも上がっていった。リバティ島に着くと、後ろ姿が一望できた。
お決まりのポーズで写真を撮って、マンハッタンに戻ると5番街で気になるお店を見て回った。最後に
入ったお店でそれぞれ似合う服を選んで試着した。
服を持ってレジに向かうと、男性の店員さんに声をかけられた。
「あの、日本の方ですか?」
「そうです」
「ご来店ありがとうございます。ご旅行ですか?」
「はい、新婚旅行で来ました」
「素敵ですね!年越しのご予定は?」
「タイムズスクエアに行こうかと」
「あそこはオススメできません」
「そうなんですか?」
「はい。場所取りのために午前中から待たなきゃいけませんし、一度中に入ってしまうとトイレにも行けないんです」
「それはキツイですね···」
「よければオススメの場所教えましょうか?」
「お願いします」
「夫に教えてもらったんです」
そう言って店員さんが恥ずかしそうに笑った。
「旦那さんはこちらの方ですか?」
「はい、結婚して7年になります」
「7年ですか!長続きの秘訣はありますか?」
「感謝の気持ちを忘れないことですかね」
そう言うと、店員さんは地図にオススメの場所を書き込んでくれた。
「年越しの瞬間にキスをすると永遠に結ばれるっていう噂があるんです」
袋を渡すときに耳元でこっそり教えてくれた。
「お幸せに」
そう言って見送ってくれた。
大晦日、タクシーでオススメしてくれた場所に向かうと、川に煌めく街並みが反射していた。年越しまであと数分だったが、人通りは少なかった。
「いい場所教えてもらったね」
「うん。こんな寒い中、何時間も待ってたら凍死しちゃうよ」
後ろから拓海を抱きしめてポケットに手を入れた。
「努と来られてよかった」
拓海の体温がじんわり伝わってくる。
「そう言ってくれて嬉しい」
吐く息が白く染まって消えた。
「年越しの瞬間にキスするといいんだって」
「え?何で知ってん···」
全部言い終わる前に拓海にキスされた。
新年を告げる花火の音が空に響き渡った。
「今年も···っていうか、これからずっとよろしくね」
花火を背に微笑む拓海はとても綺麗だった。
「拓海、こちらこそよろしく」
花火が鳴り止んでも、優しいキスをした。
♡✳The End✳♡
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