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第29話

——なんで? 汚い所に、なんか、なんか入ってきてて……。汚いのに、なんか、気持ち、いい、かも…… 「セイジュ? 聞こえるか? 動かすぞ」  次の瞬間、クロイゼンがセイジュの内部に挿入されているものを前後に出し入れし始めた。 「ぅわああ!!」  セイジュが大声を上げる。 「痛いか? すまんが俺も男相手はそれほど手慣れてなくてな。痛みがないものを使ってはいるがもし痛かったら——」 「ク、クロイゼン! なに、何これ?! おかしい!!」 「痛いのか? なら抜くが——」 「や、違っ、あの、俺おかしい、あ、あん、俺、変態だ……」  「変態?」 「だ、だって! そんな所に、入って、て、そこ、あ、あああ、き、気持ちよくなるなん、て、変態だよ!!」    クロイゼンは、もう呆れるのにも疲れたといった具合に、 「セイジュ、これは男同士で交わる時の正しいやり方だ。気持ちよくて当然なのだ。おまえは変態ではない。むしろこれだけでそこまで感じるなら変態ではなくただの淫乱だ」 ——どっちも嫌だよ!!  心の中で絶叫してみたものの、出し入れされる速度が上がると、徐々にセイジュは意識を保つことすら難しくなってきた。 「クロイゼン……これ、スゴい……き、気持ちよすぎる……あ、あ、あ、いい、超いい、スゴい、あああ、あのもっと——」 「もっと何だ?」 「はぁ、はぁ、もっと、して! もっと奥に、奥まで……!」 「人間は貪欲だな。まあいい」  クロイゼンがグッと道具を奥まで射し込む。 「はぁん!! 奥、奥に来た! な、なんか当たってる!! ちょ、超気持ちい、クロイゼン、お願い、もっと、奥突いて……!!」  セイジュがそう叫ぶと、クロイゼンは手の動きを止めた。 「えっ……また、またこれ? やだよ、止めないでよ、俺おかしくなる、死んじゃうよぉ……」  涙を目尻にためながらセイジュが言うと、 「止めない」  クロイゼンがニヤリと笑った次の瞬間、セイジュの内部に入っていたものの形状が変化し、まるで内臓をかき回すかのように蠢き始めた。 「あっ、クロイ、ゼン……!!」  それだけ言うと、セイジュは果てたまま気絶してしまった。

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