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第31話
——クロイゼン、あんなに俺のこと心配してくれてたんだ……
再びベッドに四つん這いにされたセイジュは、これから来る後ろの快感に期待しながらも、ふとそう思った。
——あれはまるで……大切な恋人を失う人みたいな顔だったな……。俺のこと、冗談じゃなくて、本当に、その、想ってくれ——
「う、うわ!」
セイジュは思わず大声を上げた。秘部にまた何か、しかし先ほどより細いものが入ってきたからだ。
「クロイゼン?! え、今なんか入れた?!」
「俺の指だ」
「ええっ!? き、汚いって! 指は……」
「セイジュ、俺は猛省したのだ。玩具を使用するのも楽しいが、我々は伴侶、やはりきちんと肉体同士で調教していくべきだとな」
「に、肉体、同士?」
クロイゼンが話しながらやんわりと指を動かし始めるので、セイジュの声には甘い吐息が混じり始めていた。
「セイジュ、生物には性行為、交尾と呼ばれる営みがあり、それによって子孫を増やし種族を、さらに言えばクリーチャーを存続させ続ける。そして我々のように知性を持ったクリーチャーは、主にそれを至上の愛情表現として行う」
「あ、あっ……愛情、ひ、ひょぅ……」
冷静に語りかけるクロイゼンはしかし、もう人差し指を完全にセイジュの内部に挿入していた。
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