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第36話

3ー12 催淫薬? ええっ? 俺は、目を見開いて、2人を見上げていた。 何? 2人に触れられたところが熱くって。 「んっ・・だいじょぶ・・だから」 俺は、1人で立ち上がろうとした。 けれど、足に力が入らなくって倒れ込んだ。 「ふぇっ?」 なんだ? ラウスに抱き止められて、俺は、びくん、と体を強張らせた。 ラウスに触れられたところから、甘い痺れるような感覚が全身に走った。 「だ、大丈夫でございますか?セイ様」 「う・・ん・・だいじょう、ぶ・・」 俺は、ラウスから体を離そうとしてよろめいた。 「危ない!」 クレイの手が俺の体に触れる。 「んっ、あぁっ!」 俺は、体をはぜさせた。 再び、座り込んでしまった俺を見つめてクレイが呟いた。 「この症状は・・」 「まさか・・」 俺は、涙目になって2人のことを見上げて熱い吐息を漏らした。 「んぅっ・・ラウ、ス・・クレイ・・お、れ・・なんか・・変、だ・・」 からだの奥から何かが溢れ出してくる。 俺の体の中心は、もう固くなってじんわりと薄い衣を濡らしていた。 「だ、大丈夫でございますよ、セイ様」 「すぐに、王をお呼びして参ります!」 はい? 俺は、霞がかっていく意識の中で懸命に考えていた。 なんで、王を呼ぶの? 「すぐ楽にしていただけますから、お気をしっかりお持ちください!セイ様!」 ラウスが俺の体を大きな布で覆い隠そうとした。 「んっ・・あつっ!」 俺は、布から逃れようとして手足をばたつかせた。 だが、力が入らなくって。 ぐったりと床へ倒れ込んでしまう。 「ふぁっ・・」 あっ・・ 床が冷たくって気持ちいい。 そのとき、バタバタという足音が聞こえて誰かが部屋へと駆け込んできた。 「大丈夫ですか?セイ様」 見上げるとそこには、金髪の美丈夫が立っていた。 あれ? 俺は、小首を傾げた。 この人、どっかで・・ 「はっ・・うっ・・!」 「少し我慢してください、セイ様」 その金髪の男は、俺を抱き上げると寝室へと運んでいき、ベッドへと横たわらせた。 「あぅっ・・んっ・・俺、どうしちゃった、の?」 「セイ様、あなたは、今、状態異常の発作を起こしておられるのです」 はい? 俺は、まわらない頭で考えていた。 じょうたいいじょう? 「つまり、強力な催淫薬を服用された状態ということです」 さいいんやく? 俺は、苦しくって。 「あっ・・アツ、い・・」 俺は、薄い衣の胸元を掻き乱して息を荒げると、涙の滲んだ目で金髪の男を見つめていた。 「なんとか・・してっ・・」

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