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第48話
4ー11 罰
目をぱちくりしている俺に、王は、見たことのある小瓶を取り出して見せた。
あれは!
俺は、頬が熱を持っていた。
俺の失敗作、ピンクポーションだ!
「これは、兄上が俺に差し出した証拠の品だ」
王は、俺の目の前で小瓶を振ってみせた。
「これを私の目の前で飲んでもらおうか、セイ」
ええっ?
俺は、ぶんぶんと頭を振った。
「ダメ、だ!それは、絶対にもう飲まない!」
「なぜ?」
王が無邪気そうな顔をして俺にきいた。
「これは、ただのポーションなんだろう?」
「いや、それは・・」
俺は、いいよどんだ。
それ飲むと、俺、おかしくなっちゃうし!
「いいから、飲め!」
王は、瓶の蓋をとって俺に差し出した。
「さもなければ、アルテミアを不義密通の罪に問うことになるぞ!」
マジですか?
俺は、王のことを上目使いに見上げた。
「嘘だ!あんたは、兄さんのことをそんな酷い目にはあわせられないだろ?」
「私を甘く見るな!セイ」
王は、冷ややかに微笑むと、外にいた兵士を呼び寄せた。
「アルテミアを呼べ!」
「はっ!」
兵士が部屋を出ていって数分後には、アルテミアさんが寝室へと現れ、王の目にひざまづいた。
「お呼びでしょうか?王よ」
「ああ」
王は、アルテミアさんに命じた。
「そこで服を脱げ」
「は?」
アルテミアさんは、一瞬、凍りついた。
だが、アルテミアさんは、すぐに王の命に従い服をすべて脱ぎ捨てた。
王は、全裸になったアルテミアさんを後ろ手に縛り上げた。
「お前は、私の側室のセイを抱いたな?」
「違う!」
俺は、王に訴えた。
「アルテミアさんは、俺のことを楽にしてくれただけで、何もしてない」
「いえ、セイ様。王の言われる通りです。私は、あなたを心で凌辱してしまったのです」
アルテミアさんは、縛られたまま、膝をついて王を見上げた。
「私は、心の中で、何度もセイ様を抱けたらと願ってしまいました。どうか、王よ。私を罰してください」
「ああ」
王は、頷いた。
「セイ、お目に命じる。これからアルテミアを私の目の前で抱け。あの夜、私を抱いたように、な」
「そんな!」
俺は、王にひれ伏して懇願した。
「頼むから、俺にそんなことさせないで。俺、もう、あんた以外の男とは寝ないと誓ったんだ。そんなこと、もう、俺にさせないで!」
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