48 / 86

第48話

4ー11 罰 目をぱちくりしている俺に、王は、見たことのある小瓶を取り出して見せた。 あれは! 俺は、頬が熱を持っていた。 俺の失敗作、ピンクポーションだ! 「これは、兄上が俺に差し出した証拠の品だ」 王は、俺の目の前で小瓶を振ってみせた。 「これを私の目の前で飲んでもらおうか、セイ」 ええっ? 俺は、ぶんぶんと頭を振った。 「ダメ、だ!それは、絶対にもう飲まない!」 「なぜ?」 王が無邪気そうな顔をして俺にきいた。 「これは、ただのポーションなんだろう?」 「いや、それは・・」 俺は、いいよどんだ。 それ飲むと、俺、おかしくなっちゃうし! 「いいから、飲め!」 王は、瓶の蓋をとって俺に差し出した。 「さもなければ、アルテミアを不義密通の罪に問うことになるぞ!」 マジですか? 俺は、王のことを上目使いに見上げた。 「嘘だ!あんたは、兄さんのことをそんな酷い目にはあわせられないだろ?」 「私を甘く見るな!セイ」 王は、冷ややかに微笑むと、外にいた兵士を呼び寄せた。 「アルテミアを呼べ!」 「はっ!」 兵士が部屋を出ていって数分後には、アルテミアさんが寝室へと現れ、王の目にひざまづいた。 「お呼びでしょうか?王よ」 「ああ」 王は、アルテミアさんに命じた。 「そこで服を脱げ」 「は?」 アルテミアさんは、一瞬、凍りついた。 だが、アルテミアさんは、すぐに王の命に従い服をすべて脱ぎ捨てた。 王は、全裸になったアルテミアさんを後ろ手に縛り上げた。 「お前は、私の側室のセイを抱いたな?」 「違う!」 俺は、王に訴えた。 「アルテミアさんは、俺のことを楽にしてくれただけで、何もしてない」 「いえ、セイ様。王の言われる通りです。私は、あなたを心で凌辱してしまったのです」 アルテミアさんは、縛られたまま、膝をついて王を見上げた。 「私は、心の中で、何度もセイ様を抱けたらと願ってしまいました。どうか、王よ。私を罰してください」 「ああ」 王は、頷いた。 「セイ、お目に命じる。これからアルテミアを私の目の前で抱け。あの夜、私を抱いたように、な」 「そんな!」 俺は、王にひれ伏して懇願した。 「頼むから、俺にそんなことさせないで。俺、もう、あんた以外の男とは寝ないと誓ったんだ。そんなこと、もう、俺にさせないで!」

ともだちにシェアしよう!