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第47話

4ー10 お仕置きですか? 「そのとき、その子は、自分の名は、『セイ・イガー』だと名乗ったんだと神官 エド・ワイエスは言っていた」 「なぜ、それで俺が魔人の国の者だと?」 俺は、王の話に震える声で反論した。 「ただの偶然かもしれないのに?」 「いや。確かにお前は、その子供の成長した姿に違いないのだ」 王は、きっぱりと答えた。 「さっき魔人の呼び掛けに応じて、お前の目が赤く輝いていた」 マジで? 俺は、何も覚えていなかった。 異世界の記憶も、幼い頃の思い出も、母の面影も。 何1つ、覚えてはいない。 「おそらくお前にとって忘れた記憶は、辛いものだったのに違いない」 王が優しく俺の髪を撫でながら語りかけた。 「無理して思い出す必要はないだろう」 俺は、いつの間にか、涙が溢れ出していた。 泣いている俺を王は、そっと抱き寄せると膝の上に座らせて子供をあやすようにして、涙を拭い去ってくれた。 「お、俺は、子供じゃないぞ!」 「ああ。子供ならこんなことはしない」 王は、俺に口づけした。 吸われて、甘噛され、掻き乱されて。 俺は、甘い吐息を漏らした。 王は、俺を抱くつもりだ。 俺にも異存はなかった。 だが、王に抱かれる前に、俺はどうしても、王に謝罪がしたかった。 「あ、あの・・俺・・アルテミアさんと・・その・・」 「兄上に発情を沈めてもらったという話か?」 王の目が細められた。 俺は、王が初めて恐ろしく思えていた。だが、それでも、俺は、思いきって王に訴えた。 「悪いのは、俺なんだ。アルテミアさんは、悪くない!」 「ふん」 王は、面白くなさそうな顔をした。 「兄上もそんなことを言っていたな」 「えっ?」 俺は、王を見つめた。 「アルテミアさん、も?」 「ああ」 王は、俺を睨み付けた。 「お互いに庇いだてするとは、面白くない」 ええっ? 王が俺のことを抱き上げると歩き出した。そして、執務室の隣の部屋へと続くドアを押し開けた。 そこは、寝室だった。 王は、俺をベッドに下ろした。 「お前には、お仕置きが必要だな、セイ」 はい? お仕置きですか?

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