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第59話

5ー9 王の夢 だけど、どんなに幼くたってカレイラは、オメガだ。 1度、体に火がつくといかしてやらなくてはおさまらない。 「・・セイ・・奥に欲しいよぉっ・・」 そう言って涙目で俺を見上げるカレイラの色気は、男に抱かれる側でしかない俺の胸をも騒がせた。 だが、俺は、決してカレイラの純潔を散らすようなことはしなかった。 俺は、涙を溜めて俺に救いを乞うカレイラの後孔に指をそわせるとカレイラにこう囁いた。 「お前のここは、王のためだけに、王にお仕えするためにあるんだ」 こうして、カレイラは、純潔を保ったまま花開いていった。 後は、仕上げをするだけだ。 だが、王は、今は、後宮から遠ざかっていた。 例の魔人の国 トリアニティ王国からあの魔人が数人の貴人らしい魔人をともなってこの国を訪れていて、王は、今、人類の国家として初めて魔人の国と同盟を結ぼうとしているのだった。 それは、人類と魔人の歴史において画期的なことなのだと、ラウスとクレイは話した。 かつて、人類と戦い、今は、休戦中であるとはいえ、いつまた戦になるやもわからない魔人の国との同盟という和平が結ばれようとしているのだ。 「これで、もう、戦いのない平和な世に1歩近づけることでございましょう」 クレイは、涙ぐんでいた。 クレイとラウスの両親は、かつての魔人との戦争で命を落としたのだという。そのために2人は、身内を失いこの後宮へとはいったのだった。 もしも。 もっと前にこの同盟が結ばれていれば、2人にも違う未来があったのかもしれない。 だけど、トリアニティ王国は、和平の条件に俺がトリアニティ王国へと戻されることをあげていた。 つまり、俺は、同盟が結ばれれば見知らぬ魔人の国へ1人で赴かなくてはならないのだ。 それは、俺にとっては恐怖でしかないことだった。 だけど。 俺の心は、もう決まっていた。 この世界のみんなのために、俺は、喜んで魔王の国へ行く。 それに、何よりも、これは王のためだった。 俺は、王のためにも魔人の国へ行くことにした。 王は、この前俺を閨に呼んだとき、俺を抱きながら囁いた。 「お前は、ただの男娼ではなくなるのだ。魔人の国の皇子となるんだ。そうすれば、例え、ベータであろうとも誰もお前を正室にすることに文句は言えなくなるだろう」

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