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第81話

7ー7 魔王の死 「ふふっ・・ずいぶんとかわいい顔をする」 コーダは、俺の体を見下ろした。 「もう、こんなにして」 魔王の手が俺の下半身へと伸びた。冷たい指が俺の後孔の周囲へと触れる。 「あ、あぁっ!」 俺は、びくっと体を跳ねさせた。 「だ、だめぇっ!」 俺は、涙目になって魔王を見上げた。 「そこは・・お願い、やめ・・」 「なぜ?」 魔王は、俺の涙を舌先でペロリと舐めとる。 「もうすでにお前の体内に入った私の魔力に、お前は、こんなにも昂っているではないか、セイよ」 コーダのいう通り俺のものはすでに固く立ち上がり先走りを漏らしていた。 「こんなにして」 コーダは、俺のそこに指を絡ませて擦った。俺は、思わず腰を揺らしていた。 「あぁっ!だめぇっ!」 俺は、泣きながら訴えた。 「赤ちゃん・・子供が・・」 「子供?」 コーダが泣きじゃくり始めた俺に驚いた様子で一歩後ろへと下がった。 「なんだ?この感じは?」 「うっ・・えっ・・もう、やめっ・・」 俺は、涙と唾液でぐちゃぐちゃになった顔で魔王を見つめていた。 魔王は、なぜか、たじろいでいた。 「これ・・は・・」 魔王が、呟く。 「聖なる光・・か?」 コーダが目を閉じて俺の方へと手を伸ばした。 「暖かい・・」 気がつくと俺の体がぽうっと光を放っていて、それがコーダを包み込んでいた。 魔王の体が揺らぐ。 「コーダ?」 「セイ、よ」 コーダの体が消えていく。 俺は、消えていくコーダのことを呆然として見つめているしかできなかった。 魔王は、優しく微笑む。 「よいのだ、セイよ。私はもともと死んでいた者、だ。ただ未練がましくこの世に残っていただけの妄執にすぎん」 魔王コーダは、俺を見つめてそっと唇に触れた。 「最後によい夢を見せてもらった・・セイよ」 ロナを、頼む そうコーダの唇が動いた。 その時、誰かが駆け込んできて、俺とコーダの間に立ちふさがった。 「やめろ!コーダを殺すな!」 それは、俺がこの世界に来る直前に泉で見たあの青い髪の少年だった。 「ロナ・・」 消えかけたコーダの体にロナは、しがみついた。 「逝かないで、コーダ!僕を1人にしないで!」 「ロナ」 コーダは、ロナをほとんど透明になった腕で抱いた。 「ロナ!」 「コーダが逝くなら、僕も一緒に逝く!」 2人は、抱き合ったまま揺らいで。 そして。 消えていった。

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