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第14話
こうして、僕はようやく両親と分かりあう事が出来た。
父はそれまで自分の正しいと思う事しか受け入れなかった事が原因で病気になったところから、それまでの自分の生き方を後悔しすっかり弱気になってしまっていたらしいけど、僕との再会でそれではいけないと気づいたと話した。
「お前に言われて目が覚めたよ。何があっても恐れず驚かず、そんな男じゃなきゃ海の子じゃねーよな」
『お前は俺の自慢の息子で、立派な海の子だ』
父はそう言って、あの日の……一緒に海で祖父たちに向けて歌った日のような笑顔を見せてくれた。
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