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第12話 これで終わりにしたくない
初めての男同士でのセックス。上手く出来るか不安だったが、こんな気持ちいいセックスは初めてだってくらいよかった。
ゴムを手早く処理して、ミルさんの隣で余韻に浸る。
「陽平、まさか結腸ハメされるとは思わなかったぞ……」
脚の力が入るようになったのか、ベッドの上に座り直してからそう言うミルさん。
「結腸って、あの奥のことっすか?」
「そうだ。あんな奥まで届くちんぽなんて、今まで出会ったことねぇよ」
「……辛かったっすか?」
「いや?むしろハマっちまいそうで怖ぇよ」
そう言いながら俺に背を向けるミルさん。
『……これっきりで、終わらせてやらねぇといけねぇのにな』
ふと耳に入ったミルさんの声に、俺はたまらず目の前の大きな背中に抱きつく。
「おい、陽平?」
「俺、ミルさんのこと好きっす。付き合ってください。これっきりなんて、悲しいこと言わないでほしい」
チラリと俺を見たミルさんに、自分の気持ちを伝える。あの日俺はミルさんに惚れたんだ。これっきりなんて絶対に嫌だ。
ギュッと抱きついて離れない俺に、ミルさんは「はぁ……」とため息をつくと「そっち向きたいから、ちょっと離してくれ」と優しく腕を叩く。その言葉に俺は渋々ながら離れた。
「さっき好きとか言ってたのは本気だったのか。……陽平は元々ノンケだろ。あの日も今日も気持ちよかったからって、勘違いしちまってるんじゃないか?」
しっかりと俺の方を見て、ミルさんは眉を下げて悲しげな表情をしながら、俺を突き放すようなことを言う。
ついこの間まで男同士で付き合うという概念がなかった俺に対して、ミルさんがそう思ってしまうのも分かる。だけど諦めたくない。
「最初が身体からって感じだったから、信じてもらえないかもしれないけど……。身体だけじゃなくて、ミルさんが優しく俺を受け止めてくれるところ、好きなんす!!もっとミルさんのこと知りたいし、俺のこと知ってほしい!」
「……っ!陽平、お前さんはまだ若いだろう。ましてやこんな商売してるおっさんなんて……」
「ミルさんは特別なんだ!!あのお店で働いてなければ、俺はミルさんに出会うこともできなかった。歳なんて関係ない。俺じゃだめ……?」
「ダメじゃねぇ!……ダメじゃねぇよ。ただ、謝らせてくれ」
『ダメじゃない』ということは、いいってことか!?と舞い上がりそうになるが、ミルさんが謝りたいことというのが気になる。
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