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第46話 【篠田視点】甘やかしデートのはずが…(完)
家に帰ったら先輩はホッとして力が抜けたのか珍しく玄関で座り込んだ。
「は~、疲れた疲れた。篠田、抱っこ」
「は?急に甘えてくるじゃん」
「だってせっかく俺の好きなことできるデートのはずだったのに俺の行きたい所全然行けてないだろ!」
拗ねてみせる先輩の脇に腕を入れて抱え上げた。
すると先輩は首にしがみついてくる。
「ですね。じゃあ、今日はこれから先輩の言うこと何でも聞きます」
「やった!」
先輩はご機嫌だ。
「俺は先輩のモノですからね。指輪が来たらもっとちゃんとわかってくれると思うんですけど」
「わかってるよ」
「わかってないですよ。だから先輩をちゃーんと拘束するための指輪です」
俺は先輩の薬指に口づけする。
先輩は笑ってる。
「冗談…」
「本気に決まってるでしょう。先輩はフラフラし過ぎなんで、本当は首輪でも付けて監禁したいくらいなんですけどね」
「目がマジで怖いわ!」
マジですよと言って微笑む。
本当に、他の人の目に触れないように家に閉じ込めておければいいのに。
そしたらあんなバカ女に笑われて先輩が傷つくこともない。
変なおばさんに犯されかけることも、変なおじさんにお尻を舐められることもない。
でもそれは無理なので、せめてマリッジリングを付けて相手がいるって周りにもわかって貰えれば…
まぁそんなの効果あるかわからないが。
大体この人なんで変な奴ばっかに狙われるんだよ?
「先輩何でこんな変な奴引き寄せちゃうんですかねー。」
「さあ…。でもお前と付き合ってからな気がするんだよな」
「え?もしかして俺のせい?」
「いや、そんなわけないけど」
ベッドに先輩を下ろしてそのまま押し倒す。
「うーん、今度2人でお祓いでもしてもらいます?」
「はは!そんなの意味ねーだろ」
先輩は宗教とか幽霊の類は全く信じていないようだ。
「それより早くえっちしよ…疲れたから篠田が全部して…」
両手を万歳にした姿勢でエロい顔をしてこっちを見てる。
酔っ払ってないのにこういうのは貴重だな。余程緊張して疲れたんだろう。
脳が疲労して性欲が暴走してるのか?俺にとっては嬉しい限りだ。
「俺にそんなこと言えるの一樹さんだけだよ」
「んー?」
今まで付き合った女にこんなこと言わせたことはない。
俺が疲れててやる気ねえって言って奉仕させたことはあるかな。
「奴隷だから何でもしますよ」
「こんなイケメンな奴隷がいるなんて俺はついてるね」
両手で俺の顔を挟んでニヤニヤしている。
不運な目にばかり遭ってる割に、ポジティブなのが先輩の良いところだな。
服を脱がせて素っ裸にしてやる。
「篠田も全部脱いで」
言う通りに全部脱ぐ。先輩は俺の身体を見るのが好きだ。
「この身体も全部俺の?」
しどけない姿で寝そべったままで聞いてくる。
「そうだよ」
「ここも?」
上半身を起こした先輩に性器をやんわりと掴まれる。
「当たり前だろ。先輩にいつも奉仕してるよね?」
ゆるく扱かれる。
「そう…俺はコレが大好き…」
もう目の色が変わって、勃ち上がりかけた俺のペニスを物欲しそうに見ている。
「挿れられると気持ち良くなっちゃう」
「うん…知ってる」
「気持ちよくしてよ、佑成」
俺の手で包み込めそうなくらい小さな頭部。その華奢な顎を持ち上げてキスする。
ぬるりと舌を差し込むと、先輩も自分の舌を絡めて誘い込んでくる。
「ん…っ、ふ…」
奴隷として、先輩の全身を隈なく舐め、悦ばせた後でアナルを責める。穴の入り口を丁寧に舐めほぐしてやると、男の物を欲しがってヒクヒクと蠢き始めた。
なんともいやらしい口だ。
「あぅ…ん、ゆうせぃ…もう我慢できない…奥に、もっと奥に欲しい…♡」
「もう限界なの?ご主人様が奴隷にそんなやらしい姿を見せていいのかな」
「や…意地悪しないでよぉ、今日は優しくしてくれるんでしょ…」
「すいません、一樹さんがあんまりえっちなおねだりするから可愛くてつい」
俺は請われるままペニスを下の口に当てた。
「さあ…挿れますよ。上手に飲み込めるかな?」
「ん…あ…ぁあ…」
少しずつ力を込めると、ずぶずぶと先端が埋まっていく。
心地よい圧迫感とともに全て飲み込まれた。
「上のお口は小さくて俺のを全部飲めないのに、下のお口は簡単に全部飲み込むね。上手だよ…さあ、奥を突いてあげる」
ず…ず…
ずちっぬちっぬちっ
「あっああっ!そこ、いいっ!」
「ここだね?」
ぱちゅっずち…ぱちゅん!ぱちゅん!
「あぅっもっとして!もっとぉ!」
先輩は髪を振り乱してよがっている。
前も一緒に擦ってやると、程なくしてガクガクと震えながら射精した。
はぁはぁと息が整わないでいる先輩を見て俺はある考えが頭をよぎった。
「あ。先輩俺、今思いついたよ」
「え……なに?」
「先輩が俺の赤ちゃんがどーのって気になるなら、俺のアナル犯してよ。そんで俺も尻でしかイケなくなれば心配することもないでしょ?」
一瞬何を言われたかわからないって顔をしていたが、その後言葉を理解した先輩はデカイ目を更に見開いて叫んだ。
「はぁああああ?!?!」
さっきまで熱に浮かされたようにぼうっとしていた先輩の目がすっかりシャキッとしてしまった。
「ば、おま、ばっかじゃねーの!?」
「俺、先輩にならいいよ」
「そーいう問題じゃねえ…」
先輩は顔を手で覆った。
「え、でも先輩いつも気持ちよさそうだし。先輩が今までどうやって女抱いてたのか気になるし?」
「やめろ…頭が痛くなりそうだ…」
先輩はこめかみに指を当てて唸っている。
ほら、と尻を向けて四つん這いになったら先輩は余計に慌てた。
「わー!!やめろ!」
そして思いっきり俺の尻を引っ叩いた。
「イテッ!」
「あ、ごめん…っ」
自分でびっくりしておろおろしている。
「え?なに先輩。スパンキングってやつ?俺、調教されちゃう?」
「ちょっ…ば、ばか!」
「うーん、それも捨てがたいなぁ」
俺がふざけると先輩は顔を赤くして慌ててる。可愛いな。
「やめろよもう!」
俺はごめんと謝って先輩を抱き上げた。
先輩は俺の顔を見て笑った。
「お前、せっかくイケメンなのにこんなバカなことして台無しだろ」
「俺は先輩のこと捕まえておくためなら何でもするただの奴隷だよ~」
ふざけて頬ずりすると、先輩は俺の頭を撫でて言った。
「今日はありがとう篠田。指輪…楽しみだよ」
「俺も」
予定は狂ったけど先輩が喜んでくれて良かった。
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