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プロローグ

 夜と同じ色のスーツを身に纏い、その男は色濃い声で今宵も俺の耳元で囁く―― 「今夜のレッスンは……何をお望み?」  グラスを傾け、ゴールドに色づくシャンパンを一口飲み、俺はそのシークレットコードを口にする。 「·····――」  息を吹きかけるように、その男がもう一度耳元で満足気に笑うと、 「今夜も楽しみだ……」  そう囁き、グラスを差し出した……。  グラスを傾け、カーンと音が響くとOKの合図。  それは、深い深い夜の始まりの音。  危険で甘い、夜の始まり·····。

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