1 / 7
プロローグ
夜と同じ色のスーツを身に纏い、その男は色濃い声で今宵も俺の耳元で囁く――
「今夜のレッスンは……何をお望み?」
グラスを傾け、ゴールドに色づくシャンパンを一口飲み、俺はそのシークレットコードを口にする。
「·····――」
息を吹きかけるように、その男がもう一度耳元で満足気に笑うと、
「今夜も楽しみだ……」
そう囁き、グラスを差し出した……。
グラスを傾け、カーンと音が響くとOKの合図。
それは、深い深い夜の始まりの音。
危険で甘い、夜の始まり·····。
ともだちにシェアしよう!