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第6話【R-18】
血の気の引いた顔で俺を見ている彼に笑みを返しながら、頬を伝い落ちる彼の精を唇の端でぺろりと舐めとる。
「アイさんっ……!」
我慢などどこかに忘れてきたような顔で俺を押し倒す彼の瞳からは取り戻しつつあった理性が消えている。
噛みつくように俺の唇を貪る彼の飢えた獣のような欲に濡れた瞳にぞくぞくと背中が震えた。
いいね。余裕なく俺だけを求めるこの感じ。
「ふ……んっ……」
癒えない渇きを癒すように彼の舌が俺の咥内を暴れ回り、その熱に侵されるように頭の奥がじんと痺れた。
荒い息を吐きながらようやく唇を離した彼は俺の口端に流れる唾液を舐めとり、興奮冷めやらない濡れた瞳で俺を見つめたまま「失礼します」と小さく呟くと俺の下着をするりと剥ぎ取った。
散々乱暴なキスをしておいて、それでも俺を気遣おうとする彼の態度がなんだかくすぐったかった。
「ここ、すごく濡れてますよ」
密の溢れる先端をくりくりと捏ね回す彼の指からくちゅくちゅと卑猥な水音がする。
足元から駆け上がる快感に堪らずシーツを握り締めた。
昂った自身が早く達っしたいと痛いくらいに張りつめる。
だけど足りない。たとえこのまま達したとしても物足りなさが残る事は俺自身が一番よく知っていた。
「誠司君……もっと……」
滲む視界に彼を捉え、前だけじゃ足りないのだと目で縋った。
「……ここ、ですか」
先走りに濡れた彼の指が刺激を求めてひくつく窄まりに触れる。
確かめるようになぞり、ぐにぐにと揉み込むように押されると身体は期待に打ち震えた。
「あ……そこ……あぁっ」
潜り込んだ彼の指がぐちゅぐちゅと浅いところを掻き回しながらゆっくりと奥へと進む。
骨ばった彼の指に内壁を擦り上げられ思わず嬌声が漏れた。
十分に解れたとはいえないそこに更なる刺激が欲しくて抑えがきかなくなる。
彼が欲しい。
彼と会ってから今までで一番強く、心よりも身体が彼を欲しがった。
湧き上がる熱を逃がそうと熱い息を何度も吐く。
そんな俺の敏感な部分を彼は指で何度も擦り上げてきて、熱は逃げるどころか激しさを増した。
限界だった。もどかしいほどの愛撫を受け続けた身体は、指じゃ届かないもっと奥の深い場所に彼が欲しいと切望していた。
「もう……っ……はぁ……入れて……」
彼の動きが止まっても血が沸騰したように心臓がうるさく鳴り響いている。
覆い被さる彼に抱きしめられていると気づいたのは荒い息が落ち着きはじめた時だった。
「俺も……入れたいです」
密着する体温が、欲情に濡れる彼の声音がどうしようもないほど俺を煽る。
ほとんど無意識に張りつめた自身を彼に摺り寄せた。
「……っ……あんまり……煽らないで下さい……っ」
煽られているのはこっちだと言いかけた俺の反論は彼の唇に攫われた。
絡み合う互いの視線さえも欲情を駆り立てる。
荒ぶる気持ちを抑えるように大きく息を吐いた彼は猛る熱い塊を後孔へと宛がった。
「う……ぐっ……」
先端の太い部分が入り込む圧迫感に息が詰まる。
後少し、先端さえ入ってしまえば少しは楽になるはずだ。
浅い呼吸を繰り返しその時がくるのを待った。が、彼は何度も先だけを挿れては腰を引き、なかなか奥へ進めようとしない。
遠慮がちなその動きは彼の優しさ故だろうが、今その優しさは俺には酷すぎる。
苦しさから逃れようと伸ばした俺の手を絡めとった彼はぐっと腰を押し進めた。
「うあ……あ……ああ!」
喉の奥から声にならない声が上がる。
「大丈夫ですか」
堪えるように眉を寄せ、荒い息を吐きながら、それでも彼の指先は零れ落ちる俺の涙を優しく拭った。
狭い窄まりを押し開かれる圧迫感。苦しいけれど彼を受け入れている事実がひどく心地いい。
大丈夫だと微笑みを返す俺の額に口づけを落とし、ゆっくりと腰を動かし始めた。
「はっ……あ……あっ……」
決して激しくはないその動きに、待ち望んで敏感になった身体は悦んだ。
次第に慣れてくる彼の大きさに身体は貪欲なまでに快楽を欲しがる。
「アイさんの中……柔らかくて、絡みついて……俺、もう……っ」
慣らすように緩やかな抽挿は動きを止め、艶めいた彼の吐息と同時に脈打つ熱塊が一気に奥まで突き上げた。
「っ……!あー、あ……あ……」
焦らされ続けた身体は不意に訪れた激しい刺激に耐えきれず、狂おしいほどに押し寄せる快楽を解放した。
出したばかりの俺の先端は突き上げる彼の動きに合わせて悦びの涙を零し、中は彼の浮き出た血管や形まで感じ取ろうと吸いつく。
俺の腰を引き寄せる彼との繋がりがより深くなり、敏感な部分を擦り上げながら奥を抉った。
「んっ……あっ……せい、誠司っ……!」
芯を持たない性器が彼の動きに合わせて力なくとろとろと蜜を流し続ける。
波打つ中からの絶頂感は止まず、ずっと達しているような苦しいほどの快感に襲われた。
「アイさんっ……!」
激しくなる抽挿に彼の額から汗が流れ落ちる。
絶え間なく押し寄せる快感に頭の中は真っ白だった。
切羽詰まったような声で俺を呼び、ぐっと腰を押しつけた彼が動きを止めた。
両腿を震わせた彼の熱が迸るのを中で感じ恍惚の吐息を漏らした。
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