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第20話

「次の患者さんどうぞー!」  なんてことを言いながら突然始める。  薙は声でドアを叩く音を出すと、 「失礼します……」 と言い想像の世界での診察室へと入って行くのだ。 「今日はどうしました?」 「あ、いや……」 突然始まってしまったことで、次何を言ったらいいか戸惑っている薙。 「いつも病院に行く感じでいいよ……後は俺が誘導していくからさ……」 そう何故か小さな声で修斗は薙に伝える。 「あ、えーと……」 「ま、とりあえず、そこのベッドにお座り下さい」  そこの所は病院とは違うのだが、修斗に言われたのだから、薙の方は素直にベッドの端へと座るのだ。 「あの……ちょっと、お腹が痛くて、咳とか出るので風邪じゃないかと思うのですが」 「そうですか……」  修斗も薙のセリフに続きそう答えていく。 「ちょっと、お腹の方触らせてもらってもよろしいですか? ベッドに横になって下さい」 薙は修斗にそう言われ素直にベッドに横になる。  そして修斗は薙が着ている洋服を捲り上げお腹へと触れるのだ。 「んー……とりあえず、お腹の方は便秘かもしれませんね……。 なので、中にある物を出しちゃいましょう」  そう言うと修斗はさっき買ってきた商品の中から、お腹の中を綺麗にする液体を出して来る。 「ベッドに手をついて、お尻を突き出して下さい……」 「……へ? それって、どういうこと!?」  薙はどういう意味なのか分からなかったのか、演技ではなく素で言っているようだ。 「だから、さっき言ったでしょ? これが、お腹にある物を出す液体なんだって……」  それを素で返す修斗。 一瞬、クスリとしかたかと思うと、 「……って、薙もいいタイミングで『お腹が痛い』って言ってくれたよね……。 ま、とりあえず、北村さん、医者の言うことは聞こうか?」  そう言い、最後の方は再び医者モードになる修斗だった。

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