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第3章 歪み 05※※
薬が相当回ってきているのか亜矢のモノはまた勃ち上がり始めていた。
だらりと投げ出した足を掴み、腰を反転させ尻を突き出させる。
「い……や……やめて……」
「まだ拒むのか?こんなに辛そうなのに」
体では拒まないものの、まだそんな口をきく亜矢に少々呆れた。まあ、そんなところが可愛いのだが。
「気持ち良くしてあげるよ」
後孔に舌を這わすと、ビクンと背が弓なりにしなる。
「っは……ア……あぅ」
わざと卑猥な音をたてて舐めると、僅かに亜矢の腰が揺れた。
「どうした、亜矢」
訊いておきながらも、止めることなく、ナカに舌を埋めてゆるく動かす。
「っあア……ふぅ……もう……」
「うん……?」
「も……いいからぁ……っ」
「……何が?」
焦らして追い詰めてやる。……その口から聞きたいんだ。
「もぅ……い……れてっ……」
少し沈黙した後、悩ましげな、吐息のような声が漏れた。
願った通りの答えだが、俺はその言葉を無視して投げかける。
「そういえば、名前で呼んでもらったことなかったな」
「っえ……?」
「お前、顔真っ赤にして“結月さん、結月さん”って、必死に呼んでただろ。掠れた舌っ足らずな声で。あの後、お前のその姿思い出して、何度も抜いた」
「なっ……」
亜矢がこちらに顔を向けた。
「言って。隆大 さん、って。そうしたら、挿れてあげるよ」
「っ……」
熱をはらんだ榛色の瞳が潤む。暫くして、赤い唇がその言葉を甘く紡いだ。
「た、かひろ、さん……挿れ、て?」
ゾクリと、悦が全身を駆け巡る。
「ふ、……可愛い」
指にローションをまとわりつかせ、唾液で濡れた孔に挿入した。
「……ッ!それじゃ、い、や……」
「まだ、指だけだ」
「や、ぁ、あっ……」
ゆっくり動かすと粘着性のある水音が聴覚を刺激した。
もう片方の手を亜矢の頬に添える。
「指、舐めて」
親指をゆるりと半開きの口に入れると、熱い舌がぎこちなくそれを絡めた。
すると後ろのナカがきゅうきゅうと微弱に収縮し、奥底に導かんばかりに、熱い花肉が2本の指を呑み込んだ。
「はっ、ん……んぅ」
薄く開けた瞳に、理性はまったく見えない。
「お前、口を犯されながら後ろ弄られるの好きなんだな。知ってたか?あいつに抱かれてる時、自分の指咥えながら腰振ってたの」
「いやらしー奴」と耳元で呟くと、ビクビクと体を震わせた。
出し入れするたびに甘い声が響く。亜矢は物足りないのか、俺の人差し指と中指をも、まるで雄のソレを貪り食うように舐めた。
ただ快楽を求めるがままに乱れる亜矢を目の前にして、自分の下半身に熱が集まってゆくのを感じても、それを意識しないようになんとか遣り過ごす。
突然、すぐ近くにあった亜矢のスマホのバイブレーション音が鳴った。明るくなったその画面に、一ノ瀬の名前が表示されていた。徐にそのスマホを手にとって、呼び出しを拒否する。
思わず口元が緩む。
――あいつ馬鹿だな。こんなにもタイミング良く、かけてくるなんて……
そのまま手中のスマホのカメラを起動し、亜矢の姿をパシャリと映した。背を向けて情欲に溺れている亜矢はカメラのシャッター音にも気がつかない。
いくつかの画像を、一ノ瀬の電話番号宛にSMSで添送する。
元々、亜矢のあられもない姿を動画に撮って、直接あいつに見せる計画だった。
あいつの反応を目の前で見れないのは残念だが、この際、まあいい。
これからどうなるか、見ものだな。
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