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第8-1話不自然な地面
◇ ◇ ◇
街から二刻ほど歩き、エルジュたちは洞窟へとたどり着く。
途中、何度か魔物と遭遇したが、グリオスが即座に剣を抜いて撃退した。
その間エルジュは「がんばれー」と応援したり、何度か瞬殺を繰り返したら唇を尖らせ「少しはオレの所に回して欲しいんだけど」と不満を漏らしていた。
連日魔物に凌辱されるては身が持たない――グリオスは必死に立ち向かい、出会った魔物すべてを瞬殺した。
勇者エルジュは無敵だが、その供をする戦士グリオスもまた強者だった。
洞窟へ入る前に、エルジュの魔法で二人の体に微光を宿す。そうして自身を松明代わりにしながら中へと足を踏み入れる。
入口こそ周辺の木々よりも高く大きく開いていたが、中へ進めば次第に窄まっていき、男二人が隣り合って歩くのがギリギリの広さへと変わっていく。
すると枝分かれした道が増え出し、右へ左へとせわしなく選択し、どこまでも深く進んでいった。
特に魔物もおらずグリオスは安堵していたが、
「何か出て来ないかな? ちょっと歩くの飽きてきた。退屈ー」
いきなり勇者が大きな声を出し、グリオスは弾かれたようにエルジュに振り向く。
「馬鹿か! せっかく平和に歩けていたのに、わざわざ見つかるような真似をするな!」
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